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2019-03-15
産前産後に寄ってみて! 子育て日本一の山梨県が誇る「ママの里」

大切な人との間に生まれた新しい命。かけがえのない命を守りたい、子どもがのびのびと育つ環境を用意してあげたい。そんな想いから、より良い場所を求めて移り住む人も少なくないようです。
「子育て環境に良い場所」として注目を集めている場所の一つに、山梨県があります。都心からも便利なアクセスや、自然豊かな生活環境が人気の秘訣と思われましたが、どうやら県をあげて取り組んでいる「子育て支援」に、その秘密が隠されているようです。
子育て支援策の一環である、「産前産後ケアセンター ママの里」でお話を伺ってきました。
山梨県笛吹市「ママの里」とは
平成28年1月に開設された「ママの里」は、山梨県と県内全市町村の連携により、産後ケア事業の一環として始まりました。運営は学校法人健康科学大学に委託され、民立民営の施設です。
産前産後のママさんが、誰でも気軽に受けられるサポートが充実。出産前後の不安を解消する日帰りサポートをはじめ、カラダとココロを休められる宿泊型サポートもあります。宿泊型では、専門家による栄養ある食事や授乳・沐浴サポート等も受けられ、産後のママさんから「リラックスして子育てに向き合える」と人気を集めています。
ママの里を訪れると、センター長の榊原さんが素敵な笑顔でお出迎えくださいました。
足湯も完備! 明るくてきれいな憩いの空間
「お母さん方にゆったりお過ごしいただけるように」という想いの通り、1階の食堂や多目的スペースには自然光がやわらかくさし込み、木々の緑が気持ちを癒してくれます。
開設して間もないということで、設備は新しく、とてもきれい! 太陽の光に引き込まれるように裏庭へ出てみると、芝生や畑など、のどかな自然が一面に広がっていました。
なんと、そこには「足湯」が!
この足湯は、近くにある石和温泉からお湯をひいており、ほんのり茶色の湯が体の芯から温めてくれます。まさに、心身ともに癒される場所です。これならママも子どもも、ゆったり優しい気持ちで過ごせますね!
2階へは、オフホワイトで統一された階段を上ります。子どももママも上がりやすいようにと、高さは低く、幅は広めに設計されており、細かな配慮が行き届いています。
2階のフロアは個室とホールという、シンプルな作りになっていました。
産後サポートが嬉しい!「ママの里」に宿泊して新しい生活に慣れる
出産直後のママさんには、慣れない授乳や沐浴に追われる、体力勝負の日々が待ち構えています。「産後は睡眠不足との戦いだ」という方も多いようですが、「ママの里」では、そんなママさんのために数日間宿泊ができるお部屋を準備!
少しでも睡眠時間が確保できるように、栄養ある食事がとれるようにと、専門家のサポートで助かることはもちろんですが、育児の悩みを相談できる仲間との出会いも貴重です。
未就学の兄弟姉妹であれば宿泊も可能のため、家族に寂しい想いをさせることもなく、安心して利用できますね!
部屋は和室・洋室と種類があり、広さもそれぞれ異なります。ベッドの大きさや設備など、随所にこだわりを感じました。
浴室・シャワーは各部屋ではなく共用になっているので、スタッフの目が行き届きやすく、安心して過ごせるのだとか。なんと、こちらにも温泉の湯がひかれているそうです!
ホールはママさんたちの憩いの場。ソファーに座って何時間もお話されている方も少なくないそうで、子育て等の悩みを相談できると喜ばれているのだとか。
「ママの里」が考える「ママを支える3本の柱」とは
ママさんたちの憩いの場であり、安心して快適に過ごせる「ママの里」。単に場所を提供しているだけでなく、事業には3つの柱があるのだそうです。
一つ目は、メインとなる「山梨県産後ケア事業」です。このケアを受けられるのは、山梨県在住で育児等に不安を抱える産後4ヶ月までの母子。一人ひとりの体調管理や、ニーズにそったサービスを展開しています。
対象の方には県とお住まいの市町村から補助が出て、通常1泊2食付き33,900円のところをなんと6,100円で滞在することができます!(山梨県外の方は補助はありませんが、受け入れ可能)
二つ目は「産前産後電話相談」。助産師による電話相談が受けられるサービスで、24時間体制で緊急時にも対応! 何かと不安な子育て中のママさんにとって、これほど安心できるサポートはありませんよね。
緊急時の相談のみならず、人には聞きづらい話を気軽に相談することもできます。周りに相談できる人がいないという人の利用も増えており、最近では海外からも相談の電話が入るようです。
誰でも、無料で、簡単に、専門家に相談できる。
ママの気持ちや状況を本当によく理解しているからこそ提供できるサービスだなと感じました。
三つ目は「自主事業」です。
日帰りケアが受けられるのは平日10:00~16:00で、宿泊型ケアと同様のサービスを受けることができます。補助金は出ないものの(一部の市を除く)、専用の個室で個別ケアが受けられ、母乳ケアや育児相談をすることが可能です。
健康教室では、多くの親子が集えるイベントを開催。月齢の近いお友達と一緒に楽しめるベビーマッサージや、妊婦さん同士が楽しく交流し、互いに励みになるマタニティクラスやパパママクラス、その他にも薬膳講座や祖父母対象の孫育て講座などもあり、その内容はバラエティに富んでいます。
ママさんたちにとって唯一無二の存在に
今回ご案内してくださったセンター長の榊原さんは、「より多くの方に知ってもらって、利用してもらいたい」と今後のビジョンを語られました。
「ママの里」は医療機関だと認識している人が多いようで、「普通の人は通わないところ」「心身で何か異常が見つかってから通うところ」と思う人もいるようです。しかし、ママの里は医療機関でも、行政機関でもなく、独立した存在です。
筆者がかつて認可外保育園を運営していた頃、「行政に相談すると必然的に家とひもづけされてしまうし、医療機関だと大ごとになってしまいそうな感じがするから、相談しづらいのよね」というママさんたちの声をよく耳にしていました。
子育てに悩むママさんたちが、本音で相談できる場所は意外と少ないもの。だからこそ、「ママの里」のように行政でも医療機関でもなく、専門職が常駐しているという施設は、これからの子育て支援において重要な立ち位置になるのではないかと感じました。
昨年からは妊婦さんの産前宿泊も開始し、ママさんたちのために日々改良を重ねている「ママの里」。館内にはスタッフさんの笑顔やママさんの穏やかな表情、お子さんの元気な泣き声が溢れていました。
「ママの里」は初めて訪れる人も歓迎しています!
ふらっと実家に帰るような、そんな気分で気軽に立ち寄ってみてくださいね。
住所:406-0036 山梨県笛吹市石和町窪中島587-112
電話番号:055-268-3575
公式HP:http://www.kenkoudai.ac.jp/sangocare/
アクセス:JR東日本 中央本線 石和温泉駅からバス5分・徒歩10分
予約可能時間:平日10時~16時
予約方法:お母さまご本人からセンターに電話で予約
(山梨県内の方は、まずお住まいの市町村へお問い合わせください)
料金詳細:以下ページをご参照くださいhttp://www.kenkoudai.ac.jp/sangocare/guide/104
■産前産後電話相談
・電話番号:055-269-8110
・相談可能時間:24時間365日
・1回の相談時間:15分~20分