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すごい旅の話

2018-06-01

【チャリで来た】フォロワーの荷物を運んで◯◯円稼いだ話(PR)

ITの進歩によって、「商品をネット注文したら、夕方には届いてた」なんてこともザラな世界になった。

率直に言って、便利だ。便利すぎて、怖いくらいだ。
しかし、そこには常に「荷物を運ぶ人々」がいることを忘れてはいけない。ドローンが荷物を部屋まで運んでくれる未来は、まだ訪れていない。あくまでも物資の移動には、人の手が介入しているのである。

そう考えると、インターネットのスピードに対応している宅配業者の人たちは、本当にすごい。どう考えても超大変であり、「んー、そんなに急いでないけど、お急ぎ便でいっか~! ポチ~ッ!」とか手軽に押してる場合じゃない。

宅配業者の仕事は、本当に大変そう。
そう思った筆者は、「荷物を運ぶこと」の大変さを学んでみることにした。

誰でも荷物を運んで稼げるサービス「DIAq(ダイヤク)」登場

実際に宅配業者で一日就業体験でもさせてもらえばよかったのだが、今回はもっと手軽に個人が宅配業をして稼げるサービス「DIAq(以下、ダイヤク)」を使うことにする。何故ならPR記事だからである。

ダイヤクは、「Uber」の発想に似ている。ドライバー登録をしておくと、近くにいる「荷物を運んでほしい!」と思っている人が自分にオファーしてくれて、実際にその荷物を運べば、個人間決済で収入を得られるCtoCサービスである。

移動手段は「車」か「バイク」、「自転車」等を選ぶことができるが、今回は「自転車」となった。「体を張ったほうが数字が取れそうだから」といった醜い魂胆ではない。宅配業の大変さを、より短時間で味わうためだ。決して醜い魂胆はないのだ。

事前に簡単なプロフィールと、自転車や荷物を運ぶ鞄・リュックの写真を送信して(ちなみに自転車はこのためにわざわざ買った、3万円程度のやつ)、

自分の運送料金も決められる。

※相場は「3kmまで1,000円/~10kmまで1,800円」とのことだが、今回は稼ぐことだけが目的じゃないので、激安設定にした。(でも、安ければいいってものでもないらしい。とある女性ドライバーさんが他のドライバーより割高に設定したら、女性客からのオファーが多く、たくさん仕事が来たという話も聞いた)

さらに、今回は企画性も重視したいため、SNSで告知をして、フォロワーが偶然にも荷物を運んでほしいタイミングに巡り会えることも期待することにした。

「まな板」から始まる、デスロード

ということで迎えた、ロケ当日。
新宿の天気は快晴。気温は20度ちょっと。完全にサイクリング日和である。日頃の行いの良さが好天に導いたと思いたい。

早速ダイヤクアプリをスタートさせて通知が来るのを待つ。さあ、近くのフォロワーさん、さっさと荷物を運ばせておくれ。

 

来ない。

「え、マジで? もっとじゃんじゃんオファーが来るもんじゃないの……? 『実家まで小物を運んで!』とか『この手紙を彼女まで!』とか、『請求書渡しておいて!』」とか、いろいろあるでしょ? ゼロ? もしかしてフォロワー12万人、全員botだった?」

想像できなかった事態に、企画倒れの未来が見えてお腹が痛くなった。31年の人生において、今日ほど荷物を運びたかった日はない。

30分経ってもオファーが来ないので道端で落ち込んでいたら、通りすがりのフォロワーさんが「頑張ってくださいね。運んでもらうものはないんですけど」と声をかけて来た。応援は嬉しいが、応援よりも仕事が欲しい。

不安と焦りが募ったが、考えてみると、基本的にダイヤクは「家やオフィスなどに荷物を集荷する」ところから始めるアプリだ。自宅などでなくても集荷場所は設定できるらしいが、日曜の午前中なんて会社も休みだし、「新宿駅や渋谷駅にいて荷物の集荷を任せたい人」なんて、そんなにいないんじゃなかろうか?

この仮説が正しければ、土日に限っては、大きなターミナル駅や繁華街よりも、住宅街の方が需要が大きい。駅周辺から離れて、少し住宅街をうろつこうとしたとき……

きた! 初オファー!!!!

LINE@に中野区民の男性から依頼が来た。渋谷駅から中野区、頑張れば1時間で行ける距離である。人生初の運搬業、たとえそれがまな板であったとしても嬉しい。早速現場に急行することにした。

しかし、

遠い。

普段は寝返りくらいしか運動しないのが、完全にアダとなっている。
渋谷から中野まで、坂道が多すぎる。「住宅街を突っ切った方が速いよね!」と安易に走ると完全裏目。アップダウンが激しすぎてふくらはぎがパンパンである。

スタートから1時間弱。「なぜ地球は、全て下り坂でできていないのか?」と思わず意味不明なことを考えるほどには疲弊し、「途中でハイエースを買って自転車を積めば速いのでは」とセコいことまで妄想するぐらいには心が折れ始めたころ……

目的地に、到着!!!

よっしゃー! どんなもんじゃい!! と叫びたくなるが、残念なことに、ここがスタート地点である。まだ始まってもいないとか、どんだけきついの。

うなだれたまま体力回復に努めていたら、依頼人が出てきた。
今回の依頼主であるパンクさんだ。動画の編集などをしている人らしい。なんとなくパンクだ。

パンクさん「本当に自転車で来たんですね。ウケる」

カツセ「全然ウケないぞ」

素朴なやりとりを終えて、今回のお荷物、「まな板」をゲット(想像よりデカい)。「撮影で使用したもので、カメラマンに返却したいんです。カメラマンは世田谷区に住んでいます」とのことで、次の目的地は、世田谷区!! 

さっそく自転車を漕ぎだす。中野区でも奥の方だったので、基本的にはひたすら来た道を戻る。

途中、環七をひたすら直進して、

漕いで、漕いで、漕ぐ。

サドルに慣れないせいか、すぐにお尻が痛くなった。自転車ショップを見かけるたび、「サドルをバージョンアップできないだろうか?」と淡い期待を抱くが、今は荷物を運ぶことが最優先だ。

「このまな板を読者プレゼントにして、もう企画を終わりにしてもいいのではないか?」と邪念がむくむくと生まれては消えた。

それでも、なんとか到着! またしても1時間くらい! ナイスラン! ナイスサイクル! お尻を押さえながら、よく分からず自分を褒めまくる私。

どんな顔して受け取ってくれるかなあとピンポンを押すと……

 

 

出ない。

「マジで……? そんなことある……?」

たかだか、10キロ。たかだか10キロではあるが、必死に、依頼人の期待に応えたくて走った10キロである。決して(物理的に)平坦な道ではなかった。お尻も、これでもかとばかりに、痛くなった。

その結果が、不在なのである。
宅配業者さんの気持ちがほぼ完璧にわかった今、言いたい。

マジで疲れがドッとくる。

宅配業者のドライバーの皆さんは、ほんの少しだけ、期待をしているのだと思う。

受け渡す瞬間の、安堵の表情や、喜びの表情。いや、煩しそうな表情すらも、もしかしたら楽しみにしているのかもしれない。受け渡す荷物には、どんなストーリーがあるのか、どんな人に届くのか。ミスチルもびっくりするくらい、次の扉をノックして、その表情を楽しみにしていたのだ。

いくら何でも諦めきれず、近くのラーメン店で空腹を満たしながら、ダメ元で一時間ほど待機してみることにした。(ちなみに久々に運動したし、この後もいつ休めるか分からないので、少年漫画の主人公かよってぐらいメチャクチャ食べました)

そして一時間後、わずかな可能性を胸に、再チャレンジ。

お願い出て~~!!!!!!!!!! 頼むから出て~~~~~~!!!!!!!!

出た!!!!!!!!!!!!!!!!!

やったー!!!!! 帰ってきてくれてたーー!!!
ハッピー!!! ミラクルーー!!!! イケメンー!!!!!

完全に舞い上がる私。戸惑う受取人。
大はしゃぎしていたら「なんか、帰ってきてよかったです」と言われた。本当によかった。

ということで、受領のサインをもらい、ひとつめの荷物「まな板」の配送をなんとか終了!

この達成感が得られるなら、どんどんイケるのでは! と意気込む私。次の依頼に向けて、再出発である。

「洋服」「コスメ」の30分タイムアタック

2件目の依頼は、まな板を運び終えてブラブラと世田谷区内をサイクリングしていたところで、ダイヤクアプリから新着通知があった。

たま◯っちの通知音みたいな音にテンションが上がる。

今回は世田谷区→世田谷区の依頼だった。
急に「足立区に行け」とか言われたら体力的にも時間的にも厳しいので、できれば東京でも西側で済ませたいと思っていたところだった。同じ区内なんて、余裕すぎる。こちとらすでに新宿区→渋谷区→中野区→世田谷区と激戦を乗り越えてきたのだ。

ということで、20分もせずに依頼主の元へ到着。今回ご依頼いただいた、みわこさん。
「自宅での受け渡しが恥ずかしいので、駅にしました」と言われたが、こういう設定ができるのはダイヤクの魅力だと思った。依頼主のプライバシーを守るのは、CtoCサービスなら特に大事なことだ。

みわこさん「これ、洋服とコスメなんですけど、友人の家までお願いできますか?」

カツセ「任せてください。こちとら、さっきまでまな板運んできた身なので、楽勝です。」

 

人はまな板を一度でも運んでおくと、無駄に自信がつく。大事なことをなので覚えておいてもらいたい。

「よかったです。あと、友人は30分後には出掛けてしまうと言っていたので、急いだ方がいいかもしれません」

楽勝かと思ったら、突然のタイムアタックモードに突入。荷物運びに油断は大敵。

とはいえ小田急線の一駅、世田谷区内ならそれほどハードルは高くない。
荷物を傷つけないように気をつけつつ、線路沿いを心地よく走ったら……

無事、時間内に到着!!!

いや~、ラクなお仕事! これくらいなら一生やっていきたい! 

しかも、受け渡しの後に飲み物の差し入れまで用意してくださっていた。女神。天使。
我が家も配送業者のドライバーさんが来たときは、差し入れをしたいと思った。

と、いうことでふたつ目の依頼だった「洋服とコスメ」も、無事に終了!
運送者評価も後から送られて来て、無事に5点満点だったのでホッとする。

この時点で、時刻は16時半。
19時には企画を終えたいと思っているので、もう1~2件は回れそうだ。

ラスボス「ハト」をめぐる30キロの冒険

ブラブラと自転車を漕いでいるうちに、一旦新宿駅まで戻ってきた。
先ほど「もう1~2件は回れそう」と書いたばかりだが、体力だけでいえば、疲労困ぱいにも程が有る。ロケ開始から6時間漕ぎ続けているのだから、それもそのはずである。

しかし、私にも意地がある。せっかく企画として受ける以上は、3件くらいは荷物を運びたい。今日のためにわざわざ自転車を買い、リュックサックまでそれっぽいやつを新調したのである。最後まで戦い切りたいものだ。

そう思っていた矢先、Twitterに届いたのがこちらのリプライである。

「ハトを運んで欲しいです」

なんで、ハト……?

まな板以上に奇抜なものは来ないだろうと思っていた矢先の出来事に、こちらが先行で豆鉄砲を喰らうかたちとなってしまった。一体どんな人生を歩めば、「ハトを運ぶ仕事」に就くことになるのだろうか。

興味津々ではあるが、私は素人の配達業者なので、そもそも動物を運んでいいのかがわからない。サービス側に確認すべきだと思った。ここで今日初めて、ダイヤクの担当者に確認してみた。

カツセ「あの、動物を運んでほしいっていう依頼が来たんですけど……

担当者さん「ハトですよね!? Twitter見ました! 大丈夫なのでお願いします!」

 

いけんのかよ。

ノリノリだった担当者にびっくりである。

と、いうことで改めて次のお届けもの「ハト」を預りに出発することになった。まずは依頼人に居場所を聞いてみる。

カツセ「ハト、いけるみたいです! 場所、どの辺りですか?」

依頼人「練馬区の石神井公園の方です」

カツセ「石神井公園……?」

ほぼほぼ23区外じゃん。

最後にして引いてしまった地獄のカード。ラストランは、練馬区の最果てから渋谷区笹塚まで往復30キロ。ちょっとした罰ゲームのような距離となってしまった。たぶん、終わったころには7歳老けてるぞ、これ。

それでも私は、ハトを何としても運ばなければならない。なぜなら、そこに運んでほしいと願う人がいるからである。(実際はそういった使命感はなく、ただ数字欲しさに動いた軽率な行動であることを深くお詫び申し上げます)

と、いうことで早速スタート。すでにボロボロではあるが、31年間駆使してきたこの肉体のポテンシャルを信じて、とにかく漕いで、漕いで、漕ぎまくるしかない。

そして、2時間後。

終日自転車で同行してくれていたカメラマンも写真を撮る余裕がなくなってきた19時手前。私はとうとう依頼主の自宅に到着した。最後の依頼主である、トミムラさんと、ハトに対面する。

カツセ「まさか本当にハトを運ぶことになるとは思わなかったですよ、あはは!」

トミムラさん「ええ、こちらも本気で取りに来るとは思わなかったです」

カツセ「軽いノリで呼ぶのやめていただけます?」

ということで、いい子でおとなしいハトを一羽預かることとなった。ハトはトミムラさんのお兄さんである三志郎さんがマジシャンである関係で、実家である練馬区の家で飼っていたらしい。

ハトからしても長距離の移動は緊張するだろうし、夜に自転車で移動なんて、ストレスが半端じゃないだろう。できるだけリラックスできるようにしてあげたい。

ということで、紙袋に入れて、いざ発進。
スピードが出せないし、揺れないように意識するのでメチャクチャ疲れる。ラスボスにはぴったりのヘヴィさである。

それでも、諦めることはせず、

(というか、諦め方がわからず)、

往復3.5時間という超絶過酷な旅を終え、時刻は22時手前ごろ、終わらないように思えた旅は、ついにフィナーレを迎えたのである。

ガチャッ!

カツセ「お待たせしました! こちらが、ハトです!」

三志郎さん「来た! 待っていたよ~! ありがとうございます!」

あああああ~~~~報われるゥゥゥ~~~~~~~!!!

きちんと待っていてくれる人がいるって、最高~~~~~!!!!!!

ダイヤクは、依頼先の近所に近づくと、「もうすぐ着きます」と自動的に連絡される仕組みになっているらしい。1件目の「まな板」の送り先も、もしかしたらそれを見て戻って来てくれたのかもしれない。「待っていたよ」の一言が異常に温かく感じられる。気分はフルマラソンのランナーさながらだった。

最後に受領のサインをもらって、ミッション・コンプリート。

長い長い、とにかく長い戦いも、終わりを迎えたのである。
本当に長かった。なんなら記事をここまでスクロールしてから読んでいる人もいるだろう。そのくらい長い旅だったのである。

終わりに

こうして、ダイヤクを使ってフォロワーの荷物を運ぶ企画はとうとう終わりを迎えた。

ロケ時間、13時間。走行エリア、23区中8区。
運んだのは、まな板、洋服、コスメ、そしてハト。

いずれも、私にとって思い入れのある品物ばかりになったのは言うまでもないし、依頼主も受取手も、わずかでもいいから、こうして運ばれて来た荷物のことを時折思い返してもらえたらと、ひたすら自転車を漕いだ身として思った。

運ばれてくるモノには、ドラマが詰まっている。
そのドラマの片鱗でお手伝いをする宅配業の仕事は、まあとにかくしんどいけれど、温かみのある優しい仕事だと思った。

ちなみに、3件回って得られた金額は、以下のとおりである。

まな板:   1,472 円
洋服とコスメ: 545円
ハト:    1,472円
合計:  3,489

結論:価格設定は大事。

今回は企画のために激安設定にしたが、13時間走ってこの金額だと、膝が笑うどころか、笑い終えてむせ返し始めるので、みなさんがダイヤクにチャレンジするときはぜひ適正な価格設定でお楽しみいただきたい。

それでは、皆さんも素敵な宅配ライフを!

おわり

 

DIAq(ダイヤク): 配送クラウドソーシングアプリ
https://www.dia-9.com/

ライター:カツセマサヒコ

フリーライター/編集者。 編集プロダクション・プレスラボでのライター経験を経て、2017年4月に独立。広告記事、取材記事、エッセイ、物語等の企画・取材・執筆を行う。 ツイートが20代女性を中心に話題を呼び、Twitterフォロワーは12万人を超える。趣味はスマホの充電。

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