ホーム > すごい旅研究所 > 「最終的に行き着くのは “感謝”」東吉野村・移住者インタビュー【奈良県トライアルステイ体験記④】

すごい旅の話

2018-03-26434 view

「最終的に行き着くのは “感謝”」東吉野村・移住者インタビュー【奈良県トライアルステイ体験記④】

奈良県・東吉野村で実施中の「トライアルステイ」もいよいよ終盤。村の畑にはフキノトウが芽を出し始め、ゆっくりと春の顔を覗かせています。

▷ これまで奈良県・東吉野村のトライアルステイの様子

東吉野村には最近、シェアオフィス『OFFICE CAMP HIGASHIYOSHINO』を中心に多くのクリエイターが移住してきており、日々いろんな人が巡り会っては町を盛り上げようと面白いことを考えています。今回は、実際にどんな人たちが移り住んできているのか、東吉野村に移住してきた人たちにお話を聞いてきました!

「仏の力で心を癒す」仏師・安本篤人さん

東吉野村・三尾地区に工房を構えているのは、仏師の安本篤人さん。20代の頃に富山や京都で修行を積み、2014年に独立。その後、仏像の制作に集中できる環境を求め東吉野村に移住してきました。

工房の中には制作中の仏像がたくさん! いくつかの仏像を並行して制作することもあり、完成までに何年もかかるものもあるのだそう。

この日は工房で「仏画ワークショップ」が行われており、私も体験させていただきました。様々な仏画から好きなものを選び、色紙に移して色をつけていきます。

描く人によって色の塗り方、線の引き方などが異なるため、個性が溢れ出ます。私は猫がとても好きなので、猫を足してみました(笑)

安本さんはこのようなワークショップを多く開催しており、地元の方との交流を図っています。

奥さんのひとみさんは、東吉野村の地域おこし協力隊。“コミュニティナース” として地域の集会所「チャレンジカフェかめや(※後ほど紹介)」に常駐し、毎日顔を合わせてお話することによって地域の人たちの健康状態や生活状況を把握。もしもの時にはすぐに対応できるよう活動をされていて、ご夫婦共にそれぞれの形で東吉野村を守っているんだなと感じました。

安本さんは現在、奈良と熊本で自身初となる個展を開催予定。「なんで熊本?」と思い質問すると、「2016年の熊本震災後、生活環境は徐々に復興してきているけれど、これから必要になってくるのが心の復興。少しでも多くの人の心に届くよう、熊本でも開催したい」とのことでした。

私も今回の仏画ワークショップに参加させていただくまではあまり仏様を間近でじっくり見たことがなかったのですが、今までにない心のゆとりというか、平穏(?)を手に入れられたように感じました。

3人で営む憩いの場「木曜食堂」杉山さん・三瓶さん・菅野さん

東吉野村の主要部、小川地区にある「チャレンジカフェかめや」。このスペースは村が支援をしていて、誰でもお店を開くことができる空間です。

この「チャレンジカフェかめや」では、毎週木曜日になると、東吉野村在住の杉山さん・三瓶さん・菅野さんによる「木曜食堂」がOPENします!

お店には村内外の人が訪れます。お昼時になると特にお店は賑わいをみせます。

素材にこだわった木曜食堂のメニューは、見ているだけでもお腹が空いてくるラインナップ。私もお食事をいただきました!

おにぎり・お味噌汁・きのこのコロッケのセットで800円。おにぎりに使われているのは「酵素玄米」で、今回初めて食べたのですが、これがなんとも言えない食感でおいしい! コロッケとの相性も抜群で、無限に食べられてしまうのではないかというほどでした(笑)

お店の入り口にはスコーンやチョコをかけたゆずピールなど日替わりのお菓子が売っており、毎回ついつい買ってしまいます!

移住したきっかけは、3人それぞれ。杉山さん(左)は元々別の場所へ移住を考えていましたが、あるイベントでたまたま東吉野村の情報が載った雑誌『Local Life』を見つけ、一目惚れ。移住を決意したそうです。

三瓶さん(右)は、移住体験ツアーで訪れた時に村の魅力を実感したこと、菅野さん(中央)は既に東吉野村に移住していた人に誘われたことがきっかけで、それぞれ移住してきました。菅野さんは家族全員で引越ししてきたそうです!

3人のうち、誰が欠けても成り立たない「木曜食堂」。それぞれ異なる理由で移住してきた3人がこの東吉野村で出会い、一緒にお店を始めて町を盛り上げているだなんて、とても素敵だなと感じました!

感謝の気持ちを “椅子” に込めて。「維鶴木工」藤川さん・山本さん

連載1回目の記事でも少し紹介した、シェアハウスの同居人である藤川さん(右)と山本さん(左)。

二人はシェアハウスの隣りにある坂利製麺所の元工場を使い、「維鶴木工」という家具工場を構えています!

「日本の椅子」を作ることをモットーに、材料は国産の木材(主に吉野杉や吉野檜)を使用。日本の家にマッチするよう設計された椅子や家具、小物を製作しています。

シェアハウスの近くにあるお店「ひよしのさとマルシェ」(1記事目でもご紹介した、鹿の角を売っているお店)にもお二人の椅子が置かれているんですよ!

製作をしている時の二人の顔はまさに職人!
この時は新作の椅子の製作進捗をチェックし、今後の設計を詰めているところでした。

お二人は何事にもチャレンジすることを大切にしています。椅子の座面の木を普段あまり使用しない木目のものにしてみたり、単体での使用はもちろん、椅子同士を連結してベンチのようにできる椅子を作ってみたり。

試行錯誤を繰り返しながら作られる椅子には、二人の今までの経験や使う人に対する気配り、敬意が垣間見えます。

中学の頃からものづくりに関心があった二人。これまで大阪や桜井市(東吉野村から40分ほど離れた土地)でものづくりをしてきましたが、応援してくれる人たちのご縁を繋いできた結果、今の工場を見つけたのだそう。

夜、シェアハウスで作業をしている時、藤川さんは常に「感謝の気持ち」を感じているということでした。

「仕事や今の生活に対していろんなことを考えるけど、最終的に行き着くのは “感謝” の気持ちです。この東吉野村では、上の世代の方々が、自分たちが活動しやすいようにと環境を整えてくれます。そんな環境で活動できるのは、本当にありがたいですね」

藤川さんが仰る “感謝” は、私も維鶴木工のお二人をはじめ多くの東吉野村の方々に対して感じたことでした。きっとこの縁は偶然じゃなくて、今の私に必要だった物が詰まっていたのだと思うと、それはもう感謝の言葉だけでは言い表せません。私も藤川さんのように、前を向いて歩いていく時が来たんじゃないかと思いました。

さいごに

様々な人たちがそれぞれの仕事・生き方を見つけて暮らしている東吉野村。私も、これまでの滞在がたった1ヶ月間とは思えないほど、多くの出会いを体験してきました。

そして、改めて東吉野村のパワーと可能性を感じます。村の方とお話していると「自分も何か役に立ちたい!」「何かできることはないだろうか?」とすぐ考えてしまうほど、気がつけば東吉野村の魅力に引き込まれていました。

今までこの土地で生活をしてきた方々が受け継いできたライフスタイルや、身近な人を思う気持ちが東吉野村には詰まっています。「村」というと閉鎖的で過疎化しているイメージがあるかもしれませんが、決してそんなことはなく、ここ東吉野村には未来への希望で満ち溢れた人々がたくさん集まっています!

次回はいよいよ、連載最終回! これまでの滞在の集大成を動画にまとめたいと考えています。どうぞお楽しみに!

オススメのシゴト

ライター:小林なつき

東京都在住旅人見習い。生粋の猫好きで8匹の猫と共に暮らす。子どもの頃に大阪〜東京縦断の旅をして旅人に憧れる。現在は自然と文化と動物を追い求めて全国を回っています。 Instagram:natt_kk_p Twitter:@Nattphotogra

この記事のタグ

SAGOJOをフォローする

フォローして新着のシゴト情報をゲット!