すごい旅の話
2018-02-24
【連載スタート】奈良県で1ヶ月間トライアルステイ! 東吉野村の田舎暮らしが始まります

休日にどこかの田舎へ遊びに行ったときに、「人生で一度はこんなところに住んでみたいなぁ」と思ったことはありませんか?
実は今、奈良県では、そんな夢を実現できる「トライアルステイ」を多くの村で実施中。今回、神奈川生まれ・東京在住の私が、奈良県の東吉野村にて約1ヶ月間のトライアルステイを体験することになりました。
奈良県の「トライアルステイ」って?
奈良県は全国で5番目に村が多い都道府県。特に山間部では村の人口が年々減っており、各地で限界集落が増えています。
そこで、奈良県各地の市町村や地元企業が連携して、シーズンを限定した移住体験プログラムを用意。地域の旅館や施設などで働きながらその土地で実際に生活し、地域の人と交流する「トライアルステイ」をする人が増えているのです。
私が滞在しているのは、奈良県の中央より東側、すぐ隣りが三重県という場所にある「東吉野村」。そうめんを作っている「坂利製麺所」の工場でお仕事を手伝いつつ、シェアハウスで暮らしています。
連載1本目となる今回は、私が東吉野村でどんな暮らしをしているのかについて、その全体像をお伝えします!
見渡す限り山・山・山! 森の中の共同生活
東吉野村は、日本で最後にニホンオオカミが見つかった土地。最近ではニホンオオカミを題材にした映画『東の狼』が公開されたこともあり、注目を集めています。また、昔は林業が盛んで、吉野杉や吉野檜など良質な木が多く育てられていました。
ここが東吉野村の入り口。奈良市内から南へ1時間半ほど進んで行くと、ニホンオオカミの看板が現れます。村のキャラクターもニホンオオカミがモチーフになっています。
ここからさらに奥に進むと、辺りは一気に森林に包まれます。たまに野生のシカがいて、東京在住の私にしてみればまさに映画のような世界。
そんな森の中にあり、今回私がお世話になるシェアハウスがこちら。……って、製麺所!?
そう、私は今、お手伝いしている坂利製麺所の元工場の中にあるシェアハウスで生活しているのです。
4人で暮らすシェアハウスの日常
シェアハウスでは現在、私を入れて4人が暮らしています。キッチン・お風呂・トイレが共同スペースで、一人ずつに個室が用意されています。
元々は坂利製麺所の工場のひとつでしたが、今は同居している藤川さんと山本さんが営む「維鶴木工(いずるもっこう)」の家具工場になっています。シェアハウスはここに併設されているのです。
同居人はみな仲が良く、どこかへ出かけるときはまるで実家のように「行ってきます!」「行ってらっしゃい!」という言葉が飛び交います。
たまに一緒に料理を作ってパーティなんてことも。この間は大阪出身の藤川さんに「大阪のたこ焼きを食べてみたい」と話したら、「本場の味食わしたる!」といって忙しい合間を縫ってたこ焼きを焼いてくれました!
まさか東吉野村に来て本場のたこ焼きが食べれるとは思わなかったのでびっくり!
作り方にもこだわりがあり、トロっとしていて「これが関西の味か!」という美味しさ。こんな距離感で人と触れ合えるのも、シェアハウスの醍醐味ですね。
夕飯を食べた後や休日は、この維鶴木工のオフィスの机をお借りして作業をしています。今回はトライアルステイの様子について、合計で5本の記事を書く予定ですので、楽しみにしてくださいね!
シェアハウスのメンバーはそれぞれ仕事が違いますが、「ものづくり」に携わっているという共通点があるため、お互いがお互いの知識を活かしてアドバイスや交流をしています。
私もよく、撮影した写真や動画を編集しているときに第三者視点でアドバイスをもらいますし、逆に椅子を作っているお二人からは、作った椅子やテーブルの使い心地について聞かれることも。それぞれ違う観点から意見を聞けるので、モチベーションも上がるし仕事も捗っています!
鹿の角も買える、東吉野村のショッピング
シェアハウス近くには「ひよしのさとマルシェ」というお店があり、取材に出かけるときは必ずと言っていいほどここに立ち寄っています。
お店は日用品、生活雑貨、食品などラインナップが豊富。もちろん東吉野村ならではのものも売っています。
これはなんと、鹿のツノ! なかなか大きい!!
店内にはパンコーナーもあり、毎日焼きたてのパンも食べられるんですよ!
実際に暮らしてみて感じる、東吉野村の魅力
東京から東吉野村に来て数日間は、都会のようにすぐ近くにコンビニがあるわけでもないし、シェアハウスがあるエリアはいつでも電波が繋がるわけでもないし、不便さも相まって不安が大きかったのが正直なところ。
でも、時間が経つにつれて、シェアハウスの前から眺める夜空や、昼の森林から差し込む木漏れ日など、まわりにあるものが限られているからこそ気づけるような、自然の美しさを一つひとつ感じられるようになりました。
そして、時間がゆっくり流れるのがとても過ごしやすいというか。
都会特有の忙しない空気ではなく、自分のペースでゆっくりと進んでいく日々に心地よさを感じています。
こんな環境だからこそ、良いものが作れたり、面白い発想が生まれたりしそうな予感もします!
私のトライアルステイはまだまだ続きます。引き続き東吉野の魅力をこの「すごい旅研究所」にて発信していく予定ですので、ぜひ楽しみにしていてくださいね!