ホーム > すごい旅研究所 > ただの旅日記になってない? 旅の「記事」を書くライターが意識するべき3つのコツ

すごい旅のハウツー

2016-04-06

ただの旅日記になってない? 旅の「記事」を書くライターが意識するべき3つのコツ

沖縄のコバルトブルーの海を旅したとします。

「今日は彼氏と沖縄ーー♡ ウミガメってはじめて見たけど、目が意外と鋭くてちょっと怖かったー > < 」

……みたいな投稿をSNSやブログで投稿する人がいれば、一方で同じ場所に行き同じ体験をしても、報酬をもらいながら記事を書いて情報を発信する人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか。

旅を仕事にして気づいたこと

はじめまして。松田 然(もゆる)と申します。

わたしは約9年前からライターの仕事をしており、主に企業を取材し、ライティングの側面から採用やマーケティングのお手伝いをしてきました。しかし、3年半くらい前からそのスタイルを少しずつ変え、今は旅をしながら仕事をしています。

きっかけは、昔から旅と自転車が好きだったこと。そこで自転車旅をしながら仕事ができないかなというワークスタイルの実験をはじめたのです。具体的には、仕事に必要な機材や旅のアイテムを自転車に積んで、全国を旅しながら情報発信をしたり、東京で請けた仕事を旅先でおこなったりしました。

その結果、2015年には47都道府県を(一部、学生時代に走った場所と合わせて)全て自転車で走り終え、今では毎月1週間以上は旅や出張に出かけるライフスタイルへと変化。また、「旅」に関連する仕事も多くいただけるようになりました。

私がその過程で気づいたのは、旅を仕事にするには「日記」ではなく「記事」を書く必要があるということ。

そこで今回は、SNSやブログと記事の違いと、旅の記事を書くときの基本をご紹介します。ブロガーではなくライターになりたい方、旅の記事を書くことを仕事にしたい方はぜひ参考にしてみてください。

旅の「記事」を書く3つのポイント

冒頭の「彼氏と沖縄の海〜」のように、SNSやブログで自分が体験したことのライフログを書く場合、それは日記になります。

しかし、旅して感じたことを友達に伝えたい場合など、誰かへ向けた情報発信が目的になっていると、それは記事になりえます。(たとえ受け手が「リア充爆発しろ!」と感じたとしても)

では、より具体的に、日記と記事の違いを生み出すポイントを説明します。

1. 文章を書く目的を理解する

まず見極めたいのは、自分の媒体で情報発信をするのか、他者の媒体で情報発信をするのか、ということ。

多くの旅記事の場合、企業や自治体のWebサイト・雑誌・パンフレットなどで書くことになり、その目的は依頼主により異なります。

わたしの場合、Web媒体での執筆がほとんどですが、それぞれに「地域への集客」や「ブランディング」などの目的があり、それを理解した上で文章を書きます。

例えば、沖縄の離島を対象にしたツアー会社が「集客」を目的にメディアを利用する場合には……

  • 海が綺麗なビーチ
  • 地元の人に愛されている食堂
  • 南国感溢れるリゾートホテル
  • 訪れるのに最適な時期
  • 島までの交通手段

など、この島に来たいと思った人のメリットや参考になる情報を紹介することが大切です。そこに、場合によってはライターが実際に取材をして感じた感想も入れて記事を構成することで、旅の “記事” ができあがります。

外部の媒体で書くということは、その媒体が目的を達成するようライティングでサポートするという役割があるのです。

2.「ターゲットは誰か」を意識する

では、目的を理解して頑張って文章を書けば、それで十分でしょうか?

実は、誰をターゲットにして文章を書くか(誰に読んでもらいたいか)の意識が抜けていると、クライアントの目的を達成することが難しくなります。

例えば、先ほどの例で挙げた離島を対象にしたツアー会社の魅力を若者に伝えたいなら、以下の内容をメインにするかもしれません。

  • 海が綺麗なビーチ
  • 地元の人に愛されている食堂
  • リーズナブルに泊まれる地元の民宿

しかし、家族連れをターゲットにするのであれば、以下のポイントを軸に構成すると良いでしょう。

  • 南国感溢れるリゾートホテル
  • 島までの交通手段(お子さんでも行きやすいかなど)

もちろん一概には言えませんが、その土地の魅力をいっぱい詰め込んで情報発信するよりも、ターゲットにあった最適な情報を選んで伝える方が読み手に親切な記事になるのです。

※ クライアントがメディアであれば、特定の読者層がいるので担当者にターゲットを聞いてみましょう
※ 旅好きな人へ向けた記事であれば、自分がターゲットになり得るので書きやすいですね。

3.「ターゲット」をどんな気持ちにしたいか?

目的とターゲットが決まったら、その読者がどんな気持ちになってほしいかを設計してみましょう。

ちょっと難しく感じますか?

例えば、沖縄に行ったことがない30代働き盛りのビジネスパーソンをターゲットにするなら、その人は旅に対してどんなニーズや不安をもっているでしょうか?

  • 仕事から離れて南国でリラックスしたい
    → 南国沖縄ののんびりした雰囲気を伝える
  • 仕事を休んで南国に行くのは気が引ける……という不安を抱えている
    → 離島でもWi-Fiがあるホテルなら仕事もできることや、たまにはリフレッシュした方が仕事の効率は上がることを紹介する
  • 仕事中にボーっと南国の景色をPCで見て癒されたい
    → 絶景ポイントを紹介する

ただ旅をするだけでも自己満足を得られるかもしれません。しかし、あなたがライターとして記事を書くなら、読者(ターゲット)の抱える問題を解決したり、ニーズを満たしたりすることを意識してみましょう。

まとめ

今回わたしが伝えたいことは、ブログと記事の違いだけではなく、ライフログ(日記)から卒業して情報発信をできるようになれば、旅を仕事にする第一歩を踏み出せるよということ。

WebメディアであればPVや申込数などの数値が計測できるため、キーワード設定やSEO対策などのテクニックも勉強する必要があるかもしれません。でも、まずは旅を “記事” として書くことで、あなた自身の個性がより磨かれればいいなと思います。

あなたらしい旅のスタイルを発信し、それが誰かの役にたてば、旅がもっと楽しくなるはずだから。

文:松田 然 編集:新 拓也

ライター:松田 然

合同会社スゴモン代表 兼 ライター。 仕事をしながら旅をするTravel Worker(トラベルワーカー)として、国内外の旅や、自転車で日本47都道府県全てを走りながら仕事をするワークスタイルを実験中。

この記事のタグ

SAGOJOをフォローする

フォローして新着のシゴト情報をゲット!