SAGOJO ストーリー
2016-04-04
「旅の価値を上げたい」SAGOJOに込めた思いと、私たちが実現したい世界|SAGOJO 新拓也
日本のスーパーで何気なく手に取ったバナナ。それを見て、フィリピンで出会ったバナナ農家の友人を思い出す。
ネパールで地震が起きたとき、思い出の写真を振り返りながら何かできないかと考えつづけ、寄付をする。
フランスで事件が起きたとき、ニュースが流れるテレビにかじりつきながら、まっさきに友人の安否を気にかける。日本で地震が起きたときにもすぐに連絡をくれた彼女は無事で、ほっと胸をなでおろすーー
世界の出来事が「自分ごと」になる感覚。私たちは、それが旅の力だと考えています。
ひとりでも多くの人がその旅の力を享受できる世界になればと思い、私たちはこの『SAGOJO』を立ち上げました。
『SAGOJO』立ち上げに込めた思い
私がSAGOJOで実現したいことは、2つあります。
ひとつは、「旅の社会的な価値を上げる」ということ。
“旅に出る” という選択肢が、今ある「休暇」「遊び」「ドロップアウト」というイメージではなく、「自己満足じゃない価値を生むもの」として認められる社会にはできないだろうか?
多くの人が「旅はしたいけど、長期で行けばその後の再就職が困難である」などと将来の人生が難しくなると考えているようで(実際、今の日本ではそうなのだと思う)、今の社会は「旅」を非生産的なものとして捉えているように感じました。
また、一部の「出会いに感謝☆」「世界一周経験者☆」みたいなファッションのような「旅」が、旅のイメージを限定して方向づけているようにも思います。
旅する人が、世界中で自身の好き・得意を活かしてシゴトする。そして多くの人の役に立ち、その対価をもらう。
そんな世界が実現すれば、旅はキャリアの一部として評価されるかもしれません。あれだけ反対していた周りの人が、「頑張って行ってこいよ!」と背中を押してくれるかもしれません。
きっと多くの人々が「旅に出る」という選択肢を今よりもっと選びやすくなって、周りもそれを支えていける世界になるだろうと信じています。
ふたつ目は、「人が境遇に関わらず旅できる世界をつくる」こと。
アジアを旅していたとき。
長期に渡って各国をまわる私を見て、地元の人がこう言いました。
世界を旅できるお前が羨ましい。それは俺には決してできないことだ。
「今度あなたたちが日本に来たときには、僕が案内するからね」なんて軽々しく言ってしまった自分を恥じるとともに、「あれ?」とどこか違和感を感じました。
生まれた環境によって旅できるかどうかが決まる? そんなのおかしくない?
自分は何も偉いわけではなくて、ただ幸運に恵まれ日本に生まれてきただけで今旅をすることができている。彼らだって自分と同じように、「旅に出る」という選択肢を当たり前に選べていいはずじゃないか。
それに、現地の人の中には訪れたこともない隣国をしきりに非難する人がいます。その隣国を訪れれば、やはり相手国を訪れたこともなく「嫌いだ」という人がいます。
「彼らも世界を旅して、隣国を実際に訪れることができたら……!」
だからSAGOJOがつくりたいのは、たとえお金がない環境に生まれたとしても、誰にも負けない情熱やスキルがあればそれを活かして旅できるような世界観。
たとえそれがアフリカの田舎の貧しい家庭に生まれた少年であってもーー
世界中の人々が世界を旅し、世界を知り、世界のことを一緒に考えられる世界に貢献できたらと思っています。
他にもまだまだいろいろな思いがあるし、今では15名近くのメンバー数となったSAGOJOにはさらに多様な「SAGOJOに込められた思い」があります。
そのひとつひとつを、これからじっくりと行動で示しながら皆さんに伝えていけたらと考えています。
SAGOJOが新しくする “旅” とは
SAGOJOを通して届けたいのは、「旅 × シゴト」。旅 “+(たす)” シゴトではなく、“×(かける)” ことで生まれる旅のあり方です。
旅とシゴトが相反するのではなく、シゴトを通して旅がより充実したものになる。旅している時間とシゴトをしている時間が別物になるのではなく、シゴトをすることで世界がより解像度を上げて見えてくる。旅とシゴトが重ね合わさる。そういう体験と生き方です。
だからSAGOJOでは、誰でもできるようなシゴトではなく「旅人だからこそできるシゴト」のみを提供します。「旅人ってすごい!」「旅人っておもしろい!」などと、旅する人の価値をどんどんと上げていくようなシゴトを紹介していきます。
旅人の価値を上げるために、僕らが意識するもう1つのこと。それが、「シゴトの単価を上げていく」こと。
旅人はクオリティの高いシゴトをして、それに見合うリターンを得る。
旅人の価値が決してお金で測れるわけではないけれど、旅は自己満足じゃない価値を生むと考えています。私たちはその価値を最大化していきたい!
むしろ、日本にいて働くよりも、旅をしながらシゴトするほうが稼げるような世界にしたいとすら考えています。だから旅人にも自分たちの単価を上げるべく本気になってもらいたいし、決して「ラクして稼げる」「遊んでいたらシゴトになる」なんて心持ちでは登録してほしくありません。
旅人の価値を上げていくようなシゴトを、SAGOJOは皆さんと一緒につくり上げていきたいと思っています。
さいごに:「すごい旅研究所」の設立にあたって
「すごい旅研究所」は、「旅 × シゴト = すごい旅」の可能性を掘り下げ、広げる場です。SAGOJOの旅に必要なスキルを「すごい旅のハウツー」で紹介したり、すごい旅をする人の旅観・シゴト観に迫ったりします。
今後は、旅人の新しい可能性を引き出すような企画をSAGOJOがSAGOJOを使って自ら仕掛け、「旅人のつくるコンテンツってめちゃくちゃ面白いじゃん!」という言葉を集めていく予定です。他にも、
- コンテンツ制作だけじゃない、旅人の新しいシゴトの可能性を探る
- 「キャリア」という側面から旅を切り取る
- 日本人だけじゃなく、海外の旅人が取り組めるシゴトをつくる
などなど、とにかくやりたいことだらけの「すごい旅研究所」。
これから定期的に、SAGOJOらしく気ままに更新していきます。SAGOJOのサービスと合わせて、多くの方に楽しんでいただけたら幸いです。
文:新 拓也