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2023-10-11

【北海道】これからの中富良野が面白そうなワケ②-アドベンチャートラベル・サイクルツーリズムを推進する取り組み

北海道のちょうど真ん中に位置する中富良野町は、東西 17.9 ㎞、南北 13.4 ㎞、総面積 108.65k ㎡というコンパクトな町です。富良野や美瑛を訪れたことがある方なら、きっとその道程に中富良野町も通り過ぎているはず。

そんな中富良野町では現在、いくつかの新しい取り組みの気配が......。

夏はラベンダー畑が多くの観光客を集め、農業が盛んなこの町が、これから面白くなりそうなワケを3本シリーズで解説しつつ、そうした新しい動きに一緒に取り組んでくれる地域おこし協力隊の募集についてお伝えします。

2本目の本記事では、今北海道でアツいアドベンチャートラベルとサイクルツーリズムを推進する取り組みと、それに一緒に取り組んでくれる地域おこし協力隊「アドベンチャートラベルコーディネーター/サイクルツーリズムコーディネーター」の募集についてお伝えします!

▷1本目:テレワーク推進コーディネーターについて
▷3本目:なかふらの観光協会職員について

北星山にある中富良野森林公園をアドベンチャートラベルの拠点に

中富良野駅や町役場のすぐそば、町の中心部にある北星山。南東斜面は、夏はラベンダー畑、冬はスキー場として町民も観光客も訪れる場所。また、北西側は中富良野森林公園として町民に古くから親しまれてきた場所です。

現在、中富良野では企業と連携協力して、この北星山に拠点を整備する計画があります。合わせて、北星山をアドベンチャートラベルの拠点とし、観光客に中富良野を体感していただけるような体験を提供しようという計画も進んでいます。今回募集する人材は、北星山を舞台にしたアドベンチャートラベルコンテンツを新たに生み出してくれることが期待されています。

中富良野森林公園でBBQ

中富良野で進んでいるアドベンチャートラベル推進計画について、中富良野町企画課商工観光係の対馬靖士さんにお聞きしました。実は、このインタビューをした場所が、まさに北星山にある中富良野森林公園の拠点が整備される予定地。その場所で、BBQをしながら、お話を聞かせていただきました。

中富良野町にとっての大切な場所を生かしたアドベンチャートラベルを

「昔はここにゴーカートやミニSLがあったり、児童館があったりして、子どもたちが集まって楽しむ場所だったんですよね。私も小さい頃、ゴーカートに乗りに来たことを覚えています。町の中心にあるし、そうした思い出もあるので、北星山は中富良野町民にとっては大切な場所なんです」という対馬さん。

中富良野町企画課商工観光係の対馬靖士さん

そんな北星山にアドベンチャートラベルの拠点を設けて、観光客に質の高い体験を提供していく計画。 「アドベンチャートラベルというと北海道の大自然に飛び込むとイメージもあるかもしれませんが、北星山を中心とした中富良野で展開できるコンテンツを企画していきたいと考えています。北星山でできるアウトドアアクティビティはもちろんなのですが、野鳥や動植物の観察、北星山や中富良野の歴史などを起点にすることもできるかもしれません」

中富良野森林公園に住むエゾリス

中富良野にある日常も特別なコンテンツになるかも

また、地域おこし協力隊の大水聡子さんが、対馬さんと制作した中富良野ならではの体験プランを盛り込んだカタログギフト「ここのこと。なかふらの」もアドベンチャートラベルのコンテンツを作っていく上では参考になるかもしれません。

「アドベンチャーというと、何かすごい冒険を提供しなくてはいけないのかと思ってしまいますが、大水さんと『ここのこと。なかふらの』に掲載する体験コンテンツを企画するなかで、例えば、トラクターに試乗するとか、野菜の収穫とか、この町にずっと住んでいる人には当たり前のことが、外から来た人には特別な体験になるんだというのは発見でした。こうしたもともと中富良野町の生活の中にある当たり前な事柄もアドベンチャートラベルの種になるかもしれません」と対馬さん。

現在、中富良野にはガイド人材はいるものの、アウトドア事業者はないため、近隣地域のアウトドア事業者と連携するか、自身がアウトドア事業者として独立するなどを検討していくことも考えられます。また現在は町内に点在している様々なガイドを繋いでいくことも必要となるかもしれません。地域おこし協力隊としての任期終了後は、北星山に立ち上げたアドベンチャートラベル拠点で引き続き業務に携わっていただければと考えているそうです。

多彩なコースが楽しめるサイクリングフィールド富良野盆地

広義に捉えると、アドベンチャートラベルの1つとも言えるサイクルツーリズム。

「周辺を山に囲まれた富良野盆地を中心としたこのエリアは、標高差1,000mを駆け上がるようなヒルクライムから、平らな盆地内をゆったりとサイクリングするポタリングまで、幅広い自転車愛好者層に楽しんでいただける場所なんです」と語るのは、ご自身もオフタイムにはロードバイクを楽しんでいるという中富良野町企画課課長の酒井拓美さん。今後の中富良野でのサイクルツーリズム推進について、酒井さんにお聞きしました。

中富良野町企画課課長 酒井拓美さん

中富良野町では、10年前から富良野美瑛広域観光推進協議会に属する1市4町1村(富良野市・美瑛町・上富良野町・中富良野町・南富良野町・占冠村)で、エリア内を巡るサイクリングコースを作ったり、レンタルサイクル拠点を連携したりとサイクルツーリズムに取り組んできました。現在、10年を節目にコースの見直しや道路・拠点の再整備が進んでいます。

「従来のコースはエリアの6市町村を一筆書きで巡るようなコースになっていて、全長も富良野~美瑛間を結ぶAルートが88km、富良野~南富良野・占冠を結ぶBルートが150km、かなやま湖沿いを走るCルートが全長18kmと、本格的に長距離を走る人をターゲットとしたコース設定になっていました。

現在、初心者の方にも気軽に楽しんでいただけるようなコースも含めて、もう少し幅広いターゲットに向けたコース作成を進めているところです」と酒井さん。

富良野美瑛広域観光推進協議:サイクリングページ>>

今回募集する人材に担っていただきたいのは、こうしたサイクルツーリズム・コンテンツの企画と運用。現在もコースの見直しが進んでいるため、2024年の春に着任された頃にはコースの作成はある程度進んでいるかもしれませんが、レンタルサイクル事業者との連携はもちろん、カフェ巡り・美術館巡りなど点と点をサイクリングで繋いでいくような新しい視点でのコースづくりを進めていただけることも期待されています。

今後もサイクリングコンテンツは、富良野美瑛広域観光推進協議会で連携して進めるため、周辺市町村の職員や地域おこし協力隊との連携が多くなりそうな点もこの職種の魅力です。中富良野町でサイクルツーリズム専任の地域おこし協力隊を募集するのは初ですが、現在、上富良野町にはサイクルツーリズム専任の地域おこし協力隊が既に着任しています。

こうした近隣地域の協力隊、自治体職員、レンタルサイクル事業者、飲食店などのサイクリング拠点となってくれる事業者などと、町の範囲を超えて広く繋がっていけるのは、今回募集する人材ならではかもしれません。

旅をする目的や価値が、単なる場所めぐりと消費から、どんどん体験へと移ってきています。そんななか、その土地ならではの体験を提供するコンテンツを生み出そうとしているのがアドベンチャートラベルやサイクルツーリズム推進の取り組み。

アクティビティを通して地域振興に関わってみたいという方、アウトドアや自転車に関わる領域で独立を目指している方、ずっと旅に関わっていたいという方に、これまでの旅の経験を活かして長期的に関わっていただけたら嬉しいです。ぜひ、ご応募ください!

▷「アドベンチャートラベルコーディネーター」「サイクルツーリズムコーディネーター」の募集記事はこちら

▷中富良野町・地域おこし協力隊採用説明会(11/9 オンライン開催・11/19大阪開催)のご案内はこちら

ライター:SAGOJO編集部

『すごい旅研究所』の記事制作を手がける編集チーム。「旅 × シゴト」を目指すすべての旅人に役立つ情報をお届けします。

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