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2023-10-11
【北海道】これからの中富良野が面白そうなワケ③-観光客とサステナブルな関係を作っていく取り組み

北海道のちょうど真ん中に位置する中富良野町は、東西 17.9 ㎞、南北 13.4 ㎞、総面積 108.65k ㎡というコンパクトな町です。富良野や美瑛を訪れたことがある方なら、きっとその道程に中富良野町も通り過ぎているはず。
そんな中富良野町では現在、いくつかの新しい取り組みの気配が......。
夏はラベンダー畑が多くの観光客を集め、農業が盛んなこの町が、これから面白くなりそうなワケを3本シリーズで解説しつつ、そうした新しい動きに一緒に取り組んでくれる地域おこし協力隊の募集についてお伝えします。
3回目の本記事では、なかふらの観光協会のこれからの取り組みと、それに一緒に取り組んでくれる地域おこし協力隊「観光協会で観光事業の推進を担う人材(観光協会職員)」の募集についてお伝えします!
▷1本目:テレワーク推進コーディネーターについて ▷2本目:アドベンチャートラベルコーディネーター/サイクルツーリズムコーディネーターについて
ラベンダーだけじゃない、中富良野の魅力
ラベンダー観光発祥の地とも言われる中富良野。コロナ禍前には年間110万人もの観光客がラベンダー園を訪れていたそうです。そもそも富良野美瑛エリアは夏の観光地というイメージの強い場所。しかし、移住者に聞くと、「冬の景色が素晴らしくて」「町の人に惹かれて」という声が多く聞かれます。
「町の人が魅力的でかっこいいなと思った」と話すのは、2021年に地域おこし協力隊として中富良野に着任した大水聡子さん。暮らしてみて、改めてラベンダーだけで通り過ぎてしまうのはもったいない!と感じ、中富良野ならではの体験プランを盛り込んだカタログギフト「ここのこと。なかふらの」を、当時なかふらの観光協会に派遣されていた中富良野町企画課商工観光係の対馬靖士さんたちと企画制作しました。
「家族旅行で来た富良野近辺の景色が子どもながらに綺麗だなと記憶に残っていて。それで前職の研修でトマムに長期滞在した際に、中富良野を訪れてみたら、全然変わらない風景に安心したんです。そのときに同僚が中富良野の人とも繋いでくれたのですが、とにかく町の人が魅力的でかっこよかったんです」と大水さん。
中富良野町企画課商工観光係 対馬靖士さん【左】と地域おこし協力隊の大水聡子さん【右】
より深く地域に関わっていただけるような観光コンテンツづくり
一方で、ラベンター園などの花をフックとした観光資源の活用は進んでいるものの、総面積 108.65k㎡というコンパクトな中富良野町でラベンダー以外の観光資源を見つけるのは簡単なことではないと、中富良野町企画課商工観光係の対馬靖士さんは言います。
「そんな中、大水さんと『ここのこと。なかふらの』に掲載する体験コンテンツを模索するなかで、こんなことが体験コンテンツになるんだという発見がありました。例えば、トラクターに試乗するとか、野菜の収穫とか、この町にずっと住んでいる人には当たり前のことが外から来た人には特別な体験になるというのは、目から鱗でした」
ラベンダーの季節だけでなく、冬の雪景色、秋の紅葉など一年を通して、中富良野に訪れていただけるようにしたい。町の人の魅力を伝えたい。最終的なゴールには「移住」も見据えて、今後は観光客と継続的な関係を作れるような取り組み・単に見て回るだけの観光ではなくより深く地域に関わっていただけるような観光コンテンツづくりが、なかふらの観光協会でも求められています。
このほか、夏に偏っている観光需要をほかの季節に平準化することや、もちろんインバウンドの受け入れ環境整備、二次交通、事業者さんとの繋がりや近隣市町村との連携などなど......多くの課題とやりがいがあることは言うまでもありません。
春先の畑の様子
これからの中富良野の観光を核となって進めてくれる人材を募集!
観光と移住を切り離して考えてきた中富良野町ですが、近年は観光を入り口に中長期滞在から移住へと、観光の先に移住をゴールに置いた施策も考え始めています。その中核となるのが、なかふらの観光協会です。なかふらの観光協会では現在、正職員1名のほか、企業からの派遣職員、役場からの派遣職員、地域おこし協力隊1名などの4名が働いています。
その主な役割は、観光による地域振興、旅行者の利便増進。観光資源の開発とそのPR活動を担うほか、町の中心にある北星山ラベンダー園の観光リフト及び冬のスキー場リフトについて、町より指定管理を受けて運営管理も行っています。
町民参加のワークショップ「なかふラボ」で作成したマップを見る大水さんと対馬さん
今回募集する人材には、当初は地域おこし協力隊として、任期終了後はなかふらの観光協会の職員として、観光協会の業務を担当しつつ、新しい発想や視点から中富良野の観光を盛り上げてくれることを期待しています。一緒に働くことになるのは、もちろん現在の観光協会のスタッフ。加えて、役場の職員や地域の事業者などとも密に連携をとりながらお仕事をしていただくことになります。
観光協会というしっかりとした足場の上で、新しいことに主体的に取り組めんでいただける環境です。地に足をつけて、でも新しいことに取り組んでいきたい、これまでの旅の経験を活かして長期的に何かに取り組んでみたいという方、ぜひ、ご応募ください!