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2023-03-25

「温かな町民性と挑戦しやすい環境が揃う場所」上川町地域おこし協力隊が語るまちの魅力とは

北海道・大雪山国立公園の麓に広がる人口約3,200人のまち・上川町。農業と観光業を基幹産業とし、層雲峡(そううんきょう)温泉をはじめ、登山・ラフティングなどのアウトドア、豊富なスノーアクティビティを求めて観光客が訪れます。層雲峡温泉街など、町内の一部エリアは、大雪山国立公園の中にあり「あれ? いま国立公園の中にいるの?」と、その境目を判別するのが難しいほど、町全土が質の高い豊かな自然にあふれています。

また、北海道の中央に位置し、旭川まで車で約1時間。北海道各所の観光地、主要地域にアクセスしやすいのも上川町の魅力のひとつです。

そんな上川町では、2019年度から地域おこし協力隊の枠組みで「カミカワークプロデューサー」の採用がスタート。自分が主体となりおもしろいことを追求しながら、今までにない働き方を生み出すプロジェクトとして、自然の恵みを活かしたおもしろい空間やビジネスが創出されました。

現在は13名の協力隊が活動中ですが、2023年3月末で卒業を迎えるメンバーもいます。そこで、新たにアウトドアビジネスの開発に携わるアウトドアプロデューサーと、上川町の魅力を発信してくれるクリエイティブプロデューサーを募集しています。 

日々の暮らしを楽しみながら自然と寄り添う。この場所にはどんな生活が待っていて、どんな景色が広がっているのか。

役場職員の松原 航平さん、「カミカワークプロデューサー」の田崎 充彩(たさき あつや)さんと柯 智仁(カ チニン)さんに、移住したきっかけや日々の活動について尋ねてみました。

▷ カミカワークプロデューサーの応募はこちら

お話を聞いた人


松原 航平さん
上川町役場地域魅力創造課で地域おこし協力隊支援業務、移住希望者対応業務など、地方創生関連業務に携わる。趣味は野球、温泉。

田崎 充彩さん
上川町地域おこし協力隊・アウトドアプロデューサー。茨城県出身。シーズンワーカーとして夏は北アルプスの山小屋で小屋番、冬はまちで働くという生活を6年経験した後、2021年度から協力隊に着任。

柯 智仁(カ チニン)さん
上川町地域おこし協力隊・クリエイティブプロデューサー。台湾出身。東京で映像の仕事を経験した後、2021年度から協力隊に着任。

大自然の魅力に惹かれ、移住を決意

大雪山が見渡せる上川町は、自然に寄り添った暮らしができる場所。広大な自然がもたらすポテンシャルの高さは、多くの人を魅了しています。

台湾出身で日本在住歴8年目になる柯さんも、その景色に魅了された一人。

「ずっと東京で映像の仕事をしていましたが、自然豊かな場所で生活してみたいという思いがありました。そんなときにFacebookの広告でカミカワークプロデューサーの募集を見つけて。動画ならスキルを活かせるし、上川町の自然にも魅力を感じ応募しました。そのあと現地に行って雪景色を見たときにすごく感動して、訪れたその日に移住を決めたんです」

クリエイティブプロデューサーとして活動する柯さんの主な業務は、動画撮影・編集、写真撮影など。上川町の人や商品・ストーリーに焦点を当てて映像をつくったり、上映会を企画して3日間で約100人を集客したりと、活動は多岐にわたります。

「これまでの2年間で制作した動画は50本ほど。企画から絵コンテの作成、取材・撮影・編集まで、すべての作業を一人でおこなっています。協力隊を卒業してもまちの人との繋がりから動画制作の仕事を続けたいし、専門的なクリエイターがまちに集えるスタジオのような拠点を作ってみたいです

柯さんが動画撮影をしている様子

クリエイティブプロデューサーの1日のスケジュールは特に決まっておらず、自分で柔軟に調整できるのだそう。上川町の協力隊は副業OKで、働き方の柔軟さとフラットな環境が特徴とも言えます。

「このまちで働きたいと思ってくれている方のために、できる限り寄り添えるような体制を心掛けています。さまざまな経験を積むことを受け入れられ、一緒にビジョンを描ける人を求めています」(松原さん)

自分の得意や好きを発揮できるポジション

「上川町に来たのは、知人から層雲峡オートキャンプ場での短期仕事を紹介されたことがきっかけです。3ヶ月間上川町で働く中で協力隊やまちの人とも仕事をして、道内各地に友人も増えました。

当初は短期間の滞在の予定でしたが、同世代の方がこのまちでの暮らしを楽しむ姿に惹かれ、自分も上川町で暮らしてみたいと思い、協力隊という仕事を選び移住しました」

田崎さんは山小屋やアウトドアメーカーで働いていた経験を活かし、アウトドアプロデューサーとして活動をスタートしました。

田崎さんがアウトドアガイドをおこなっている様子

上川町は自然が溢れるまちですが、観光ガイドが少ないという課題があると松原さんは言います。

「まちの課題は行政だけでは解決できないことがたくさんあります。その一つは観光ガイドの不足です。その課題を解決すべく、アウトドアガイドを目指している方々に上川町に来ていただいて、協力隊を通して起業してもらえたらいいなと思っています」

アウトドアプロデューサーは現在3人が活動中。主な業務内容はアウトドアプログラムの創出やアウトドアガイド業、層雲峡オートキャンプ場の運営サポート、グランピングプログラム・アドベンチャーツーリズムの開発など多岐にわたります。

「日々の仕事も業務内容によって変化します。たとえばキャンプ場では、施設内の清掃やチェックイン作業・予約状況の確認・備品の整理業務など。アウトドアガイドでは朝8時頃〜14時くらいまでガイドをおこなったあと、撮影した写真の整理・編集作業をしています」

アウトドアプロデューサーの活動拠点である層雲峡オートキャンプ場

田崎さんはキャンプインストラクターの資格を持っていることを活かし、キャンプイベントの企画・実行のほか、町民向けのイベントを企画するなど、個人としてもさまざまな活動をおこなっているそう。

ほかの協力隊メンバーは、スキー場の手伝いをしながらスノーボード領域に携わったり、テレマークスキー・バックカントリー・釣りを担当したりと、自分の得意なことやスキルを発揮して活動しています。

おもてなしと人のつながりを大切にするまち・上川町

自然を身近に感じられる上川町では流れる時間も穏やか。新しい場所でビジネスに挑戦する移住者を応援する文化や、おもてなしと人のつながりを大切にする温かな町民気質を持っています。

「上川町に住んでいる方は距離が近くて、移住者も町民の一人として迎えてくれる温かさがあります。役場のサポートも充実していますし、町民も協力隊のことを応援してくれるのでとてもチャレンジしやすい環境です。

上川町のいいところは仲間で集まる機会が多いこと。おもしろいと思ったらすぐに行動するところが暮らしを楽しんでいる印象を受けるし、オンとオフのバランスがうまく取れている。自分がいいと思ったものを周りに共有して一緒に行動するスタイルが多いです」(田崎さん)

柯さんに上川町の印象を聞くと “初恋のようなときめきを感じた場所” だと答えてくれました。

大雪 森のガーデンに行ったときに、今まで見できた景色とは違う印象を受けました。人も観光スポットもそうですが、映像でその魅力を伝えたいと思ったんです。寒い地域ですが人が温かくて外国人に対しての差別もなく、みんな優しい。何かやりたいことがあれば協力してくれる環境です」

まちの人が温かく受け入れてくれる。それは初めて暮らす場所においてとても重要なポイントです。一方で上川町に住んでみてデメリットに感じることを田崎さんに聞いてみました。

「まちには娯楽が少ないので、服や本を買いたいときは車で1時間かけて旭川に行かなくてはいけないのがネックかもしれません。自分の場合は、そのお陰で無駄遣いをしないので助かっています。あとは雪国なので、除雪や雪道の移動・運転が大変な一面もあります」

雪国ならではの大変さはつきまといますが、その環境をプラスに捉えながら自然と寄り添うことができる人には、楽しい暮らしが待っているかもしれません。

素質があるかより、やりたいかどうか。新しい働き方で上川町をプロデュースしてくれませんか?

上川町では現在、アウトドアビジネスの開発に携わるアウトドアプロデューサーと、上川町の魅力を発信してくれるクリエイティブプロデューサーを募集しています。

これまで身に付けてきたスキルや経験を活かして、上川町で挑戦してみたいという熱い想いをお持ちの方はぜひご応募ください。

▷ ご応募はこちら

最後に、どんな人と一緒に活動したいか、どんな人がカミカワークプロデューサーに向いているかを尋ねてみました。

「地域の方々とコミュニケーションを取ることも多いので、日々の暮らしに寄り添いながら自然の中で仕事をしたいと思う方、地域の方と一緒に協力しながらまちを元気にしたいと考えている方は向いていると思います。大雪山国立公園はスノーアクティビティ、登山やラフティング、釣りなどの遊びが豊富なので、得意なことを活かしてもらいたいです」(田崎さん)

「熱意がある人がいいですね。映像や写真の撮り方、情報発信の仕方がわからなかったとしても、気持ちでカバーできるかなと。何事もチャレンジしようと思える人にはぴったりの環境が揃っていると思います」(柯さん)

「自分でまちの課題を見つけてそのためのアプローチを考えられる方、自然のフィールドを活かして起業したい方は、上川町の協力隊のスタイルに合っていると思います。クリエイティブプロデューサーは、これまでの経験を活かしてくれる方はもちろん、仕事としての経験がなくても挑戦したい方は大歓迎です」(松原さん)

募集概要

・募集人数:若干名

・勤務時間:1日7.5時間、週休2日制(活動内容によって始業・終業時間、休日が異なる場合あり)

・給与:時給1,300円(月収約200,000円) ※賞与年1回(約200,000円)

・期間:最長3年間(採用開始日は応相談)

・待遇/福利厚生:社会保険(厚生年金、健康保険)、雇用保険、有給休暇、住居手当(上限50,000円)、通勤等に必要な乗用車、活動に必要な消耗品・旅費・研修等の参加料支給(予算の範囲内において町が負担または補助)、地域おこし協力隊での活動終了後、上川町で安心して起業を目指せるよう、定住および起業の支援施策により支援(上川町地域おこし協力隊起業・事業承継支援補助金、上川町事業承継・新規開業支援補助金ほか)

・募集期間:2023年3月29日〜2023年5月31日

▷「上川町地域おこし協力隊 カミカワークプロジェクト」の詳細はこちら
▷ カミカワークプロデューサーの応募はこちら

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参考サイト

▷ 上川町役場
▷ 層雲峡観光協会

ライター:SAGOJO編集部

『すごい旅研究所』の記事制作を手がける編集チーム。「旅 × シゴト」を目指すすべての旅人に役立つ情報をお届けします。

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