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2022-06-09

地域と関わるきっかけづくりの旅へ。福島県 南会津町のシズル感を味わう現地ツアーを開催!

『南会津町ふるさとサポーター』は、福島県南西部に位置する人口約14,500人の町、南会津町の魅力を発見・発信するためのコミュニティです。ウィンタースポーツや山登りが大好きな人、日本酒やグルメ好きなど、「南会津町が大好き!」「ちょっと気になる!」「行ってみたい!」と思う総勢100名近いサポーターが参加しています。

オンラインとオフラインの両方でさまざまなイベントや交流会が行われてきましたが、2022年3月12〜13日の2日間で「現地に行ったからこそわかる地域のシズル感」をテーマに現地ツアーを開催しました。

今回は、南会津町の人・自然・文化を肌で感じられたツアーの様子をご紹介します!

現地ツアーの概要

今回のツアーテーマは「現地に行ったからこそわかる地域のシズル感」。南会津町の人や自然、文化に直に触れる体験を通じて、参加者一人ひとりが地域と自分の関わり方を探っていくことを目的にしました。ツアーの日程は、次の通りです。

地域のシズル感を感じるツアー、いざスタート!

ツアー当日、関東を中心に、全国から集まった南会津町ふるさとサポーター11名が参加。まだ雪が多く残る会津鉄道・会津田島駅からスタートしました。

人が集まる地域の交流拠点『cafe JI*MAMA』

まず最初に訪れたのは、会津田島駅から歩いて5分ほどの位置にあるカフェ『cafe JI*MAMA』。南会津産の食材を使ったスコーンなど、素材にこだわったメニューが人気です。

オーナーの五十嵐さんは南会津町の出身。進学を機に町外に出られましたが、賑わいが減った町の様子をみて「地元に人の流れをつくりたい」と、Uターンをしてカフェ開業を決意。さまざまな人が集い交流する場所としてカフェの経営を行いながら、地域の方々と協力してクリスマスマーケットや音楽フェスなど、地域イベントの開催にも尽力されています。

南会津町ふるさとサポーターのオンラインイベントでも、現地ツアーの実施前に登壇いただき、南会津町の魅力やご自身の取り組みについてお話しいただいたこともありました。

ツアー当日は、自家製スパイスカレーなど『cafe JI*MAMA』の人気メニューをいただきながら、五十嵐さんから直接、地域への思いやカフェを始められた経緯などを伺いました。

地元スーパーとホームセンターで “らしさ” を探る

お腹がいっぱいになったあとは、地域のスーパーマーケットとホームセンターを探索。参加者各々が店内を見てまわりながら「南会津町らしいもの」を探していきました。

参加者から特に「興味深い!」と声が上がったのは、スーパーマーケットのお酒コーナー。町内に4つの酒蔵がある南会津町だけあって、日本酒コーナーには地元の銘柄がずらり。お酒好きも多く集まる南会津町ふるさとサポーターだけあって、多くの参加者が足を止めていました。

鹿革ワークショップで自然と地域課題に触れる

地域で駆除・捕獲されたシカやイノシシの皮を使って作品をつくり、動物たちの命を最後まできちんと “いただく” 取り組みをされている『おぜしかプロジェクト』。害獣被害から地域を守るために駆除した命をただ捨てるだけでなく、自然保護を考えるきっかけになるように、鹿革製品の製造と発信を続けています。

この日は、発起人の小山 抄子さんにご指導いただきながら、名刺入れを作るワークショップを体験。カラフルに染色された名刺入れのパーツから、参加者が思いおもいの組み合わせを選び、手縫いで合わせて、オンリーワンの名刺入れを形にしていきました。

ワークショップの中で小山さんからは、本来であればジビエ料理など食用肉として利用できるシカやイノシシが、東日本大震災の影響で食肉の出荷規制がかかっていること、そのため駆除された動物たちがそのまま廃棄されていたこと、大切な資源として命を活かし、地域産業を盛り上げる取り組みを行うためにプロジェクトを立ち上げたことなど、地域の課題と取り組みを始めた経緯などを伺いました。

参加者は初めての名刺入れ作りを楽しみながら、地域特有の課題や自然との向き合い方について、熱心に聞き入っていました。

会津酒造で地域の日本酒を飲み比べ

南会津町の自然について考えを深めたあとは、地域の特産物である日本酒を学ぶため、南会津町の老舗の酒蔵『会津酒造』へ。今回は特別に、町内の4つの酒蔵すべてのお酒をご用意いただき、それぞれを飲み比べながら、南会津町の日本酒の歴史や味の特徴などを渡部専務からお話しいただきました。

それぞれの味の特徴にはどのような理由があるのか、地域とお酒の関係性や、会津酒造のこれまでとこれからの取り組みなど、ツアー参加者はお酒が好きな方が多かったこともあり、積極的に質問が飛び交って会場は大盛り上がり!

普段はあまり日本酒を飲まないという参加者からも「日本酒の面白さがよくわかった」「あまり日本酒の違いを考えたことがなかったので、とてもいい機会になった」という声が上がっていました。

地元食材を楽しむ夕食 / 懇親会

少しホテルで休憩をとったのち、夕食は田島地区にある居酒屋『リアン』へ。馬刺しなど地域の食材を使った料理をいただきました。

食事の冒頭は、南会津町の「乾杯条例」に基づき、日本酒とおちょこで乾杯。食事をしながら、改めて参加者の自己紹介と今回ツアーに参加した理由や南会津町に興味を持ったきっかけ、会津酒造さんで飲み比べをしたなかでどのお酒が一番お気に入りだったかなどを話し合いました。

1日目のツアー日程をほぼ終えてだいぶ打ち解けあった参加者同士。飲み比べの後のほろ酔い気分も相まって、南会津話に花が咲いていました。

地元のスナック文化を堪能する「スナックワークショップ」

夕食が終わったあとは、任意参加者で南会津町のさらにディープな世界を探るスナックワークショップへ。南会津町には地元の人に愛されるスナックがたくさんあり、地域の人たちの遊びと憩いの場所になっています。

今回は田島地区のスナック『トトロ』にお邪魔しました。今日1日の振り返りや学びを共有した後は、スナックの醍醐味であるお酒と歌、そして地域の方々との交流を楽しみました。

参加者の中には、スナックは初めてという方もいましたが、その場にいた地元の方と一緒に歌ったり、手拍子をしあったり、観光で訪れただけでは絶対に味わえない南会津町のディープな一面を体感できました。

南会津町の自然を堪能!「カンジキウォーク」

現地ツアーの2日目は、南会津町・高野地区において森林野会の皆さまと一緒に、カンジキを履いて雪深い里山ウォーキングからスタートしました。

カンジキとは、雪上など不安定な地面を歩くための道具で、南会津町をはじめとする日本各地の豪雪地帯で昔から使われてきたものです。参加者の多くはカンジキ初体験。最初はヒモの結び方や歩き方に四苦八苦する方もいましたが、里山のスペシャリストである森林野会の皆さまにしっかりサポートいただきながら、南会津町の雪と自然を堪能しました。

森林野会は、高野地区の豊かな森林や里山などの地域資源を活かし、都会や外国から来た人たちに日本の原風景を提供することを目的に活動しています。すべて1から手作りという里山は、一面に雪が積もり、かまくら遊びなども楽しむことができました。ツリーハウスやビオトープも手作りで、春から秋にかけては、里山歩き以外にもさまざまな体験ができるそうです。

「また暖かくなったら遊びに来ます!」

子どものように無邪気に楽しんだ参加者たちは、森林野会の皆さまともすっかり打ち解けて、春の再訪を誓う方もいらっしゃいました。

道の駅『きらら289』で、温泉と地域グルメでひとやすみ

カンジキウォークの後は、道の駅『きらら289』でお昼休憩。名物のわらじソースカツが乗ったカツカレーや、南郷トマトを使ったトマトラーメンなど、ご当地グルメをいただきました。

名物スイーツの揚げ饅頭を食べた参加者からは、見た目の印象よりもかなり “イケてる” そのお味に「うまい!」の一言。南会津町の多様な食文化を楽しみました。

さらに、道の駅には珍しく天然温泉も併設されているので、歩き回って疲れた身体を温泉でしっかり癒し、最後の振り返りワークショップに備えました。

『ほしっぱの家』にて振り返りワークショップ!

ツアーの最後は、地域交流や南会津地域の農林業を体験・学習できる施設である『ほしっぱの家』で、2日間の振り返りと「南会津町と自分の関わり方」をテーマにワークショップを行いました。

ほしっぱの家を運営する南会津はりゅう里の会の松澤氏にも参加いただき、

  • 南会津町のユニークポイントと町がより良くなるためのアイデア
  • 南会津町でやりたいこと/できること

この2点について、参加者同士で意見を出し合いました。

模造紙にはアイデアを書いた付箋がたくさん集まり、参加者一人ひとりが現地ツアーを心から楽しみ、南会津町としっかり向き合えたことが感じられました。

「南会津町でやりたいこと」の中には、参加者自身の経験やスキルを活かしたアイデアや、「地域の堰(せき)掃除を手伝いたい!」といった地域の暮らしに根ざしたものまで、これからの南会津町ふるさとサポーターの活動で実現できそうなものばかりでした。

まだまだ話は尽きない雰囲気でしたが、帰りの電車の時間もあるので、後ろ髪をひかれつつほしっぱの家を後にしました。

地域とつながるきっかけづくりの2日間

ツアー初日に駅に集まった参加者たちは、皆さん初対面で少し緊張した面持ちでしたが、帰りの電車を待つ頃にはとても打ち解けた雰囲気で、各々、南会津町での再会を約束しあっていました。たった2日間の地域滞在でしたが、オンラインでは感じ取れない南会津町の空気感や人の暖かさ、自然と文化の豊かさを、肌で感じられる現地ツアーとなりました。

南会津町ふるさとサポーターは、参加者みんなでつくる地域コミュニティです。今回の現地ツアーでも、地域の方々のご協力はもちろんのこと、参加者一人ひとりが「南会津町をもっと知りたい!」「もっと地域と関わりたい!」と主体的に参加してくれたことが、楽しく学びの多い時間になった一番大きな理由です。

南会津町ふるさとサポーターでは、引き続き南会津町の魅力を発見・発信するための活動を行っていく予定です。ご興味ある方は是非ぜひ、ご参加をお待ちしています!

▷『南会津町ふるさとサポーター』への参加はこちらから

ライター:SAGOJO編集部

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