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2021-08-27

奈良の秘境、下北山村。村の可能性を事業へつなげる「地域商社」の新メンバーを大募集!

奈良県のほぼ最南端に位置する下北山村。美しい山々に囲まれた、人口約800人の山村です。バスフィッシングの聖地としても知られ、釣りをはじめとしたアウトドアアクティビティも充実。隣接する三重県、和歌山県との交流が盛んなこともあり、いわゆる「奈良県」のイメージとは違う独自の文化を築いています。

そんな下北山村で、令和3年度より「下北山地域総合商社」の事業がスタートしました。特産品や観光アクティビティといった地域資源を掘り起こし、新商品や観光ツアーなどのコンテンツにして外に発信していくプロジェクトです。

そして現在、産声をあげたばかりの「下北山地域総合商社」で地域振興に取り組む地域おこし協力隊のメンバーを募集しています。下北山村の魅力、そして地域商社プロジェクトの内容について、地域おこし協力隊の村島みどりさん、村役場職員の堀内亮介さん、栗山有佳さんにお話を聞きました。

話を聞いた人

堀内 亮介さん
下北山村地域振興課 課長補佐。大阪府羽曳野市出身。奈良県庁で16年間、商工、観光、移住促進の部署に所属し、主に過疎地域の振興に携わる。奈良県庁を退職し、令和3年4月より下北山村役場に転職。地域商社で主に特産品開発と観光振興を担当。

村島 みどりさん
大阪府吹田市出身。平成元年生まれ。うつ病の治療のため利用した転地療養サービス「ムラカラ」をきっかけに下北山村に出会い、移住。自然が好きで、村に恩返しをしたい気持ちで令和3年5月協力隊着任。特産品コーディネーターとして、主にふるさと納税担当。

栗山 有佳さん
下北山村地域振興課職員。大阪府出身。父親がバス釣りをしていたこともあり、幼い頃からよく下北山村を訪れていた。2021年春に高校を卒業後、田舎に住みたいと思い下北山村に就職。 地元の方と交流しつつ毎日楽しく過ごしている。

下北山村ってどんなところ?

県庁所在地である奈良市や大阪まで車で2時間40分ほど。公共交通機関はバスのみ。必ずしも便利とはいえない場所に位置する下北山村ですが、だからこそ豊かな自然が守られ、独自の文化が育まれる土壌が整っているとも言えます。

3人に「県外の友達に村の魅力を伝えるとしたらどんなふうに紹介しますか?」と聞いたところ、真っ先に出てきたのは自然のこと。

堀内さん:とにかく川がすごくきれいです。

村島さん:川のせせらぎは24時間聞こえますね。あと、雨のときに山に雲がかかっている景色がすごくきれいで……。

栗山さん:きれいですよね! 山に囲まれた村なので、景色を見ているだけで癒されます。鈴虫の音、鳥の鳴き声が毎日聞こえるのも、自然のヒーリングミュージックみたいで良いですよ。

人口の少ない村だからこそ、村人同士のあたたかい交流もあるそうです。

栗山さん:村の人はみんな優しいです。野菜がたくさんとれたらお裾分けしてくれたり、「ごはん食べていかない?」ってお家に誘ってくれたり……。

村島さん:栗山さんはみんなの孫みたいな感じですよね。私は最近はナスをもらいすぎて、食卓はナス料理ばっかりです(笑)

堀内さん:古くから三重県や和歌山県など、県外からの人の行き来が盛んだったこともあり、村自体が閉鎖的なところがなくフレンドリーな人が多いんですよ。

とはいえ、都市から離れた環境で不便さを感じることはないのでしょうか。生活面についても聞いてみました。

堀内さん:村には小さな商店があって、日用品はほとんどそこで揃います。大きなスーパーで買い物をしたいときは、車で30〜40分ほどの市街地(熊野)へ行きます。

村島さん:私は大阪出身で、ここに来るまではどこにでもコンビニがある生活だったので、買い物面で不便を感じることはありました。でも慣れてくるんですよね。最初は「不便やな〜」と思っていたけど、慣れればなんとでもなる。買いだめして冷凍庫で保存しておくとか、生活の回し方もわかってきたので、不便さのなかで「なんとかなる」を学んでいます。

栗山さん:私も大阪育ちですが、逆に「下北山村には大阪にないものがなんでも揃っている」という感覚です。こっちのほうが落ち着くんですよね。

村には保育所、小学校、中学校などの教育施設や診療所もあります。都市での生活に慣れていると不便を感じることはあるかもしれませんが、生活には困りません。

堀内さん:飲食店もほとんどないので、早く寝て早く起きて……健康になりますよ。

ゴルフ場やテニスコート、サッカーグラウンドなどのスポーツ施設も揃うほか、カヤックやSUP(スタンドアップパドル)などのアクティビティも楽しめるそう。たしかに健康的な生活が送れそうです。

下北山村の魅力を稼ぐ力へ。はじまったばかりの「地域商社」

そんな下北山村で2021年6月に立ち上がったばかりの「下北山地域総合商社」。「村の次世代が幸せになること、今の子どもたちに残していきたいことをやっていく」をコアバリューに掲げ、今は6人のメンバーが中心となり、地域資源を活かして地域の稼ぐ力を創出するための準備を進めています。

事業の柱は「ふるさと納税事業」「新商品開発事業」「観光振興事業」の3つ。そのなかで、協力隊員の村島さんは「ふるさと納税事業」に関わっています。

村島さん:私の主な仕事は、「さとふる(ふるさと納税の返礼品を紹介するサイト)」に掲載する特産品の掘り起こし。下北山村の特産品を扱う事業者さんに「『さとふる』に掲載どうですか?」と相談したり、掲載するまでのやりとりなど全般を担当しています。

事業者との関係性ができてくると、向こうから「これ『さとふる』にどう?」と提案されることもあるそうです。今は村島さんが特産品を掘り起こし、別のメンバーがそれを使った新商品開発をする、という体制で動いているそう。
今ポテンシャルの高い特産品を尋ねてみると……。

村島さん:まずは「下北春まな」ですね。下北山村でしか栽培していない伝統野菜で、栄養価が高くおいしいんです。下北春まなを使った新商品を作るべく頑張っています。あとは「お茶」。下北山村はどこの家にもお茶の木があって、それを5月に収穫して番茶にする習慣があるんです。家庭でお茶を摘む習慣があるというのは驚きました。

栗山さん:梅も村中にありますよ。夏ぐらいにとってシロップに漬けたり梅干しにしたり。お茶も梅も、それぞれの家庭に引き継がれているレシピがあるんです。

ちなみに村島さんは、地域商社の仕事のほか、村内のコワーキングスペース「BIYORI」の管理も担当しています。

コワーキングスペース「BIYORI」。村民の打ち合わせ、保護者会、大阪や奈良市内からワーケーションに来る人など、村内外問わずたくさんの人が集う。

村島さん:朝は「BIYORI」の開店準備。午前中は「BIYORI」でふるさと納税の商品の写真撮影をしたり、返礼品アピールの文章を考えたり、「さとふる」への申請をしたり……。事業所さんとの打ち合わせやブログ・SNSの更新、問い合わせや来客の対応など。1日の主な仕事はそんな感じです。

新しい協力隊メンバーはどんな仕事に関わるの?

現在募集中のポジションは、地域商社で「観光振興事業」をメインに担当するメンバーです。村のアウトドア資源を発掘し、観光コンテンツとして商品化していく“村の旅行代理店”のような仕事です。

堀内さん:たとえば釣り名人や植物に詳しい人、星空に詳しい人など、村にはアクティビティを提供できる人材がたくさんいます。そういった人たちと県外からのお客さまをつなぎ、村での体験価値をどんどん上げていってほしいと思っています。

バス釣りの聖地である池原ダムや七色ダム、人気のキャンプ場があるとはいえ、まだ観光地としての知名度は高くない下北山村。体系化された観光プログラムがない分、「どこに何があるのか」「どんな人がいるのか」を案内できるコンシェルジュの役割を担う人が必要だといいます。

堀内さん:下北山村はいいところですし、村民のみなさんの中には「こんなことができる」「こんなことをやりたい」といったスキルや熱意を持つ人も多いです。観光振興事業を通じて、村人の「やりたい」を実現できるお手伝いをしてほしいです。

特に力を入れていきたいものの一つは、森林を活用したアクティビティ。森林が9割を占めるこの村で、レジャーや観光の文脈でPRできるコンテンツを増やしたい、というのが村の狙いです。

堀内さん:たとえば森林セラピー。森に入って癒される体験を観光コンテンツとして発展させていきたいと思っています。午前中はコワーキングスペースで集中して仕事をして、午後は森林浴をしてリフレッシュする……そんな働き方を打ち出して、将来的には「下北山村に来ると仕事がはかどるし元気になる」というのを目指したいですね。

とはいえ、まだ仕事内容がきっちり決まっているわけではありません。

村島さん:協力隊の仕事は、村役場から「これをやってほしい」と言われる仕事と、自分から「これをやりたいです」と提案する仕事の割合が半々くらい。やるべきことと自分がやりたいことの双方を、役場の方とコミュニケーションをとりながら進めていきます。

堀内さん:地域商社は村人のやりたいことも商社メンバーのやりたいことも実現していく場にしたいので、いろいろ提案してくれるのは大歓迎です。

地域商社の仕事に向いているのはどんな人?

まだ始まったばかりの「下北山地域総合商社」。初期メンバーとしてどんな人に参加してほしいかを尋ねてみました。

栗山さん:「自然が好きな人」は大前提だと思います。それさえ満たしていれば、多少しんどいことがあっても、帰り道に車を運転しながら山を眺めているだけでリフレッシュできます。あとは、いろんな観光資源を発掘していくお仕事なので、アクティブでいろんなものに興味を持てる方だと楽しめるのかな。

村島さん:立ち上げ段階なので、何もない状態を楽しめる人が向いていると思います。地元の方やお客さまとのコミュニケーションは必須なので、きめ細かなコミュニケーションが苦にならない方でしょうか。

立ち上げというやりがいのあるフェーズだからこそ、未知や大変さを楽しみながら働ける人が向いていると言えそうです。

堀内さん:僕らもわからないことだらけで、日々悩みながらやっています。役場から「こうしましょう」と明確な方向性を示せるわけじゃないので、一緒に考えて動いていけたらいいなと思っています。「来ればなんでも教えてもらえる」「最初から仕事がたくさんある」という状況ではないことはご理解いただけたらうれしいです。

小さな村だからこそ「村民も役場もみんな仲間」という感覚でやっていきたい、と語る堀内さん。最後にこんなメッセージを寄せてくれました。

堀内さん:僕らも成果を出したいし、決して“ゆるい”仕事ではありません。でも、家族との時間を大事にするとか、健康を第一に考えるとか、自己犠牲の上で結果を出さずに自分の幸せを考えるとか、「無理せずに働きたいね」という行動指針をみんなが共有しているので、楽しみながら一緒に働ける環境だと思います。新しい出会いを楽しみにお待ちしています!

募集概要

・募集人数:2名
・勤務時間:1日7.5時間、週5日勤務。土日祝の出勤が可能な方。活動内容により、休日等に活動していただく場合あり(振替休日や勤務時間変更により対応)
・給与:報酬日額8,036円(交通費支給要件あり、労働時間により報酬の変動あり)※勤務実績に応じて期末手当支給
・期間:最長3年間(採用後、1ヶ月間の試用期間あり)
・待遇/福利厚生:社会保険(厚生年金、健康保険)、雇用保険、副業可(要相談)
・申込み受付期間:2021年8月20日〜2021年10月31日

※本募集は応募者多数により受付を締め切りました

参考サイト

▷ 下北山村役場
▷ 下北山村の暮らしと関わりを届ける「きなりと」

ライター:SAGOJO編集部

『すごい旅研究所』の記事制作を手がける編集チーム。「旅 × シゴト」を目指すすべての旅人に役立つ情報をお届けします。

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