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2021-01-22

「カミカワークプロデューサー」という働き方。2021年、北海道で新生活を始めよう

まちをおもしろくする「カミカワークプロデューサー」、求む!

旭川空港から車で約1時間、北海道のほぼ中央に位置する上川町。近年、大自然の中にたたずむこのまちに多くの若者が移り住み、面白い空間やイベントが次々と生まれています。

「地方に暮らしながら自分のやりたいことを叶えたい」。そんな想いを実現できる形の一つが、地域と協力し新たな働き方やムーブメントを生み出す「カミカワークプロデューサー」です。

上川町に暮らし、地域と協力しながらあなたのやりたいことを叶えませんか――。これまでの生き方や仕事の価値観が崩れた今、ローカルから始まる新しいライフスタイルへの招待状が、ワクワクを求めて日本全国・世界各地を訪ねてきた旅人の皆さんに届いています。

上川町は「北海道の屋根」「神々の遊ぶ庭」とも称される大雪山国立公園の北側に位置する人口約3500人の小さなまち。旭川からも車で約1時間の位置にあります。基幹産業は農業と観光業で、町内の峡谷・層雲峡(そううんきょう)温泉は道内有数の温泉地として知られています。

試行錯誤しつつも新しいことにチャレンジするのが好きなまち、と思ってくれたらうれしいです。近年はラフティングの会社を立ち上げた方だったり、仮面を作る職人さんなどの面白い移住者も増えてきています」と話すのは上川町役場産業経済課の松原航平さん(30)。

「新しい人たちが集まってきており、徐々にではありますが、地域が活性化されてきている状態だと思います。これからこの動きをどう編集し発信していくかが課題ですね」

松原 航平さん。地域おこし協力隊支援業務、移住希望者対応業務など、地方創生関連業務に携わる。趣味は野球、温泉。

町では2019年度から、都市部からの移住者を増やし、その地域の活性化につなげることを目的とした総務省の事業「地域おこし協力隊」の枠組みで「カミカワークプロデューサー」の採用を始めました。

今回はフードプロデューサー、アウトドアプロデューサー、クラフトプロデューサー、コミュニティプロデューサーの4種のプロデューサー職に加え、新たにクリエイティブプロデューサーとしてまちに来てくれる人材を募集しています。

▶︎今回のカミカワークプロデューサー募集要項はこちら!

上川町への移住。そこにはどんな人たちがいて、どんな生活が待っているのか。実際にコミュニティプロデューサーとして働く澁谷光希さん(25)、水口加奈子さん(30)の2人に生活サイクルや移住の経緯について聞いてみました。

澁谷光希さん。未来型公民館「大雪かみかわ ヌクモ」の運用や、上川町の魅力を動画で撮影&編集し発信するなど、仕事内容は多岐にわたる。

水口加奈子さん。上川町への移住者や観光客、町民を繋ぐパイプ役〈上川移住コンシェルジュ〉を目指して活動中。移住体験ツアーやお試し移住など、移住希望者へのサポートを行う。

移住のきっかけは「上川、ちょっとイケてるらしいよ」

澁谷さんの1日は朝、チームラボのデジタルプログラムも体験できる未来型公民館「大雪かみかわ ヌクモ」に出勤するところから始まります。

「ヌクモの運営業務をこなしつつ、企画イベントの台本作りや備品のメンテナンスをして同僚とランチ。17時半くらいに終了し、そこから帰宅か町内のコワーキングスペースで作業したり、という感じです」

▶︎未来型公民館「ヌクモ」って?

澁谷さんは会社勤めを経てフリーランスライターとして日本中を飛び回る生活をしていましたが、上川から車で1時間ほどにある地元の士別市に帰省した際、上川町への移住のきっかけが生まれました。

「地元の友達から『上川、ちょっとイケてるらしいよ』と聞き、カミカワークのホームページを見て興味を持ちました。当時、定住意欲もあって、担当者と直接話す機会を得たこともあり、移住してみよう、と。ここで暮らし、働いたら自分はどう変化していくんだろうって思えたんです」

現在はヌクモの運営に加え、町内の魅力を発信するオンラインTVの制作に携わっているそうです。

「今後、動画コンテンツで仕事をしていきたいと考えています。自分のやりたいことをやって生活できているので、残業という感覚はあまりなく、気づいたら夜遅くなんて日もあります。それでも会社勤め時代よりも楽しく仕事が出来ているし、願った形で働けている感覚があります」

“自治体っぽくない感じ”に惹かれて

「層雲峡で友人が営んでいるゲストハウスに遊びに行った時にカミカワークプロデューサーの募集を見て、面白そうと思ったのが最初ですね」と語るのは水口さん。「ここに来る前の私の勝手な自治体のイメージは『決まりごとがすごく多くて自由に働けない』だったんですが、その印象とかけ離れたものを見つけた気がして、面白そうだなと思いました

水口さんは札幌で生まれ育ち、高校卒業後は市内の老舗スポーツショップに就職。アウトドアやランニング、アパレル関係を担当していました。

「一般的な量販店ではなく、専門知識を身につけた上でお客さまのニーズに合わせた提案をするお店でした。『毎週水曜日に一緒に走りましょう』みたいな形で定期的にイベントを開催して、コミュニティを作っていくような」

10年ほど経験を積み、やりがいと共に「やり切った感」も抱き始めたときに、この仕事に出合ったそうです。

「今は三本柱で動いています。移住コンシェルジュとして松原さんと一緒に移住定住にかかわる業務、ヌクモの運営、キャンプ場のイベント企画などを担うアウトドア関連、の三つ。前職では商品を売るためのコミュニティづくりをしていたのが、今は上川町を知ってもらうためのコミュニティ作りにシフトした感じで、前職の経験は活かせていると思います」

「大雪かみかわ ヌクモ」での仕事の様子

水口さんは2019年4月、澁谷さんは同年7月にプロデューサーに着任。これまでの約2年の中でシナジーが生まれ、一体感が出てきたと話します。

「去年9月にKAMIKAWA ONLINE FES'20というオンラインイベントを開催したんですが、準備期間から時間に追われたりして体力的にも精神的にもしんどい中で配信を無事に終えることができて。達成感をみんなで分かち合えたことに心が動きました。他の自治体の協力隊員に聞いても、協力隊みんなで何か一つのものを作るというのはなかなかないようなので、同じ目標を目指して成長していけるというのは上川町のすごくいいところだと思います

澁谷さんはそう振り返ります。

水口さんも頷きます。

「まちの人たちにも配信に出ていただいて。協力隊だけじゃなく地元も行政も一体になって一つのものを作り上げられる環境って素晴らしい! と思いました。新しく入ってきてくれる方にもそういう部分を最大限利用してもらって、地域全体を巻き込んで上川町を盛り上げてほしいなって感じます」

▶︎カミカワークプロデューサーの仕事についてもっと知りたい方はこちら

15分以内でなんでも揃うコンパクトなまち

町内の生活圏は非常にコンパクト。水口さん曰く「上川駅を中心に2キロ圏内に市街地が集約していて、役場や2軒のスーパーなどの主要施設を中心に車移動ならどこも大体15分以内で行けます。コンビニも2軒あります」とのこと。

さらに「子育てに関して言えば、幼稚園・保育園から高校までが町内にあり、中学生までの給食費と高校生(※)までの医療費は無償です。コミュニティが小さい分、学校を越えてコミュニケーションが取れていて、親同士で協力し合いながら隣人の顔が見える中で子育てができる環境だという声はよく聞きます」と教えてくれました。

(※)18歳の3月31日まで

医療施設は町立の医療センターが中心地にあり、専門性の高い医療に関しても旭川市内の病院と連携できているため不安は少ないそう。では、生活する上で苦労を感じることはあるのでしょうか。

「豪雪地帯なので、今の時期は除雪が日常のルーティンに入ってきますね。仕事前と帰宅後、1日2回はします」と澁谷さん。「僕は今一軒家に住んでいるんですが、家の前の敷地が広くて。除雪機で雪をはねても1時間くらいはかかります。ただ、いい運動になるし僕は楽しんでやっていますね。特に冬場は食べ過ぎちゃって太っちゃうので」

▶︎上川町の暮らしについてもっと知りたい方はこちら

小さなコミュニティで暮らすということ

地方での暮らしを考えるとき、コミュニティのつながりの強さは都市部にはない大きな魅力の一つに数えられます。例えば澁谷さんが「食べ過ぎちゃって」いるのは、こんなおいしくてあったかい料理に囲まれているからかも。

「近所はおじいちゃんおばあちゃんばっかりなんですけど、僕が帰ってくると大体ご飯を作って持たせてくれて。食費がかからない上に健康的な手料理がいただけるので本当に助かっているし、恵まれていると思います

それを聞いて「いいな~」とこぼす水口さんも「札幌にいた頃と比べるとお金のかからない生活ができていると感じますね」と語ります。

一方、「人とのつながりが強い」ことの鏡合わせの裏の面として、「閉塞感や疎外感を感じてしまいそう……」という不安も生まれるもの。松原さんはそうした地域と移住者の認識のミスマッチを起こさないためにも、コミュニケーションをしっかりとる重要性を強調します。

「カミカワークプロジェクトは『将来的な上川町での起業』というのを念頭に置いており、地域の助け合いの中からも仕事が生まれたりするので、地域とのコミュニケーションは大切です。着任前に一度は上川町に来ていただいて、住むイメージを持てるか確認してもらうようにしています。採用を決定するのはこちらですが、私たち受け入れ側も一つのまちとして応募者に選んでいただいた上で、お互いにとっていい関係を築ければと思っています

水口さんも「『今まで住んでいた所と同じだと思ってた』で来てしまうと想像と違ったときに辛いと思うので、この土地で暮らしていくイメージを事前にしておいた方が地域に入りやすいかもしれません」と話します。

札幌で行われた「KAMIKAWORK cafe」の様子

副業もOK! 柔軟&フラットな環境が魅力

プロデューサーの2人が口をそろえるのは働き方の柔軟さと、役場との風通しの良さ。全国各地で多くの人が地域おこし協力隊員として活躍している反面、働き方や事業の捉え方で隊員と受け入れ側自治体の間に温度差や認識のずれが生まれてしまうケースもあります。

上川ではこの問題をどう捉えているかを尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「うちの協力隊は副業もOKで、例えば澁谷ならライターや映像編集の仕事を個人的に受けていて。他にもカメラをやっている人もいれば、ホームページ制作の依頼を受けている人もいたりと、それぞれが色んなことに取り組めています。そういった時間をどう生み出して有効に使おうかということを役場の方々とフランクに共有できていて『これは就業時間中にやったほうがいい』とか『これは自分で時間を見つけてやってみて』と、明確にビジョンを示してもらえます。他の自治体の協力隊員と話したときに『そんなに相談に乗ってくれるの?』『それダメって言われないの?』と驚かれることが多いです」(水口さん)

松原さんが続けます。

「協力隊の事業を始めて2年目で、まだ手探りなところもあるのですが『せっかくこのまちに来て働きたいと思ってくれているんだから、できる限り寄り添おう』というビジョンは課全体で共有しています。協力隊以外で収入を得ることも、協力隊卒業後の進路に関連するものであれば、次のステップへの関係性づくりやスキル、ノウハウを磨くためということで認めています。現プロデューサーたちには役場からお願いした仕事もやってもらっています。色々な経験を積むことを受け入れられる人、その上で一緒にビジョンを描ける人を求めています」

カミカワークプロデューサーとしての任期は最大3年。しかし上川ではその先のビジョンを実現しようと自己表現している人たちが集い、行政がそれをサポートする態勢が整備されているようです。

上川町で自分らしい暮らし方、新しい働き方を見つけよう

2021年1月現在、カミカワークプロデューサーとして10人が既存の4職種で活動中。さらに今回から新たな職種での募集も始まりました。

「まちの課題の一つが情報発信力。観光地として持っている素材のポテンシャルを発揮し切れていない中で、いかにこの土地が魅力的かを伝えられる人材がいてほしいと思い、クリエイティブプロデューサー職を設けました。Twitter、Instagram、FacebookなどのSNSスキルや、ふるさと納税のための効果的なプロモーションのノウハウを持っている人に担ってもらいたいです」(松原さん)

最後に、全職種を通じてどんな人に来てほしいのか、どんな人と一緒に活動していきたいのかを皆さんに聞きました。

「まちづくりにかかわりながら自分の夢も追える環境なので、チャレンジしたいことがある人だといいな。何かを実現させたい、それが上川町と合いそうだ、という人は向いていると思います。個々の力もありますが、補い合って一つのことを成し遂げることができるチームなので、一緒に考えて、一緒に上川ってまちを良くしていきましょう」(水口さん)

「大雪山はもちろん、気軽に入りに行ける温泉やサウナ、夏ならば釣り堀など、自然を活用したアクティビティがたくさんあるところです。移住ってハードルが高いことだと思いますが、僕の場合は実際に活動してる方々や役場の人と話す中でそのハードルが下がっていったので、興味を持った人はまずコンタクトを取ってみてほしいです」(澁谷さん)

「我々は常日頃から密に連絡を取り合えており、フォロー態勢もしっかりあるので、社会人としてのキャリアがある人もこれから社会に出る人も思い切って飛び込んできてください。『地方で業を興したい、仕事を作りたい』の『地方』というのがキーワードだと思います。カミカワークプロデューサーの期間を、自分の目標に近づける期間にしてほしいです」(松原さん)

本記事を読んで「カミカワークプロデューサー」に少しでも興味を持たれた方は、以下アンケートフォームよりご登録をお願い致します! ご登録いただくと、カミカワークプロデューサーや上川町に関連するご案内が届きます。

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※登録後、事務局からメール等の連絡が入る可能性があります。ご了承ください。
※カミカワークプロデューサーへの応募は郵送のみとなります。詳しくは募集要項をご覧ください。

▶︎2021年度「カミカワークプロデューサー」募集要項

▶︎カミカワークプロジェクト 公式サイト

▶︎カミカワークプロジェクト 公式Twitter

▶︎カミカワークプロジェクト 公式Instagram

ライター:清水 泰斗

フリーランスライター。マンツーマンの日本語教師としても活動中。高岡の取材のため富山の歴史について調べる中で売薬と昆布ロードに特に興味を持ちました。メディアもファストな時代ですが、ディティールを大切にする文章を書いていきたいです。

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