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いざ、鎌倉へ! 物語を感じる「日本遺産」をヒントに、鎌倉の寺院巡りに行ってきました

公開日: 2024年2月15日

神奈川県を代表する観光地「鎌倉」。鶴岡八幡宮や鎌倉大仏など、誰しもが知っている名所が多く、海外からの観光客にも大人気の場所です。

今回はそんな鎌倉で、「鎌倉仏教」や「武士道」といったテーマを元に「日本遺産」のスポットをSAGOJO編集部が巡ってきました。その場所にまつわる物語を知っているからこそ魅力がわかるスポットも多く、より深い楽しみに触れられる旅路となりました。メジャーすぎない鎌倉の魅力、気になった場所があればぜひ自分の足で訪れてみてください。

「日本遺産」とは?

冒頭でも触れましたが、「日本遺産」をご存じでしょうか。「世界遺産」と聞けば、オーストラリアの「グレート・バリア・リーフ」やペルーの「マチュ・ピチュ」、日本国内でも「屋久島」や「姫路城」などを思い浮かべるかと思います。一方で「日本遺産」と聞いても、あまりピンと来ない方が多いかもしれません。

「日本遺産」とは、特定の物や場所ではなく、その土地に関連するストーリーを価値あるものとして文化庁が認定したものを指します。例えば、北海道の「カムイと共に生きる上川アイヌ〜大雪山のふところに伝承される神々の世界〜」や、長野県・岐阜県にまたがる「木曽路はすべて山の中〜山を守り 山に生きる〜」など、現在では104もの日本遺産が誕生しています。

また、遺産認定の目的という観点でも大きな違いがあります。従来の世界遺産や国の重要文化財への指定・認定は、その価値を認めて遺産を「保護すること」を目的とされていました。一方で、日本遺産の特徴は、史跡や文化財などを「活用すること」に重きを置かれている点です。日本遺産に認定することにより、その土地の一つひとつの魅力を「点」ではなく「面」で楽しむ指針にできるのです。旅行者側はその指針を元に、より深く土地の魅力を味わうことが可能になります。

▷ 日本遺産について詳しく知りたい方はこちら

鎌倉の日本遺産とは?

鎌倉の日本遺産は、「『いざ、鎌倉』~歴史と文化が描くモザイク画のまちへ~」というもの。鎌倉は歴史的遺産と自然が調和して共存する場所であると同時に、各時代の建築や芸術文化、行事などのさまざまな要素が組み合わさり、モザイク画のような魅力を持っていることが評価され、日本遺産に認定されています。

今回訪れるのは、そんな「鎌倉の日本遺産」を構成する文化財です。「鎌倉“武士道”仏教ルート~鎌倉武家政権に大きな影響を与えた、鎌倉仏教に触れる~」というモデルコースに沿って、鎌倉の文化を語る上で欠かせない武家政権の物語を、鎌倉仏教を主軸に捉えていきます。

鎌倉仏教は、鎌倉時代に発展した「臨済宗」や「曹洞宗」などの仏教の流派や教えのこと。「南無阿弥陀仏」という念仏を唱えることで極楽浄土へ行けるという教えの「浄土宗」は、現在でもよく耳にする流派ですよね。こちらも、鎌倉時代に法然によって庶民に広まったとされています。

さらに鎌倉仏教は、この時代に始まり武士の間に形成されていった道徳である「武士道」にも大きな影響を与えたと言われています。武士道は、現代においても柔道や剣道などの所謂「武道」、あるいは茶道などの文化に通じるものであり、部分的に学んだことがあるという方もいるかもしれません。

鎌倉を訪れる多くの旅行者は神社仏閣を目的としていますが、日本遺産を元に鎌倉の文化に触れると、現代社会とも強いつながりがあることが見えてきます。

今回は「鎌倉の日本遺産」の構成文化財である「安国論寺」や「浄妙寺」など、中心部だけでなく少し外れたスポットも一緒に巡ってきました。

鎌倉駅からスタート! 午前中は徒歩で4つの寺院を巡るルート

本覚寺

最初に訪れたのは「本覚寺」です。鎌倉駅東口から徒歩数分とアクセスがよく、多くの旅行者で賑わうエリアに位置しています。本覚寺は日蓮宗の本山であり、足利持氏によって建てられました。

ここは、もともと源頼朝が鎌倉幕府開幕の際に幕府の裏鬼門における鎮守として建てた「夷(えびす)堂」があった場所。「鎌倉・江の島 七福神」のひとつとして多くの旅行者が訪れています。

要チェックなのは、境内で手に入れることができるお守りです。「にぎり福」と呼ばれるこのお守りは、一つひとつ手書きで顔が描かれている姿がかわいいと大人気。それぞれ「福」「愛」「健」「財」「学」の5つのご利益があるとされ、一日に一度握ることで享受できると言われています。

妙本寺

つづいて向かったのは「妙本寺」。本覚寺から徒歩約5分のところにあり、こちらも中心部にあたるお寺ですが、少し山側に入るため寺社と自然の調和を強く感じられます。妙本寺は日蓮宗最古の寺院で、鎌倉時代の比企一族の悲劇を伝えるスポットとしても有名です。

本堂や祖師堂周辺、二天門など、豊かな緑に囲まれたスポットなので写真映えも抜群。新緑・紅葉など季節感のある一枚を狙ってみてはいかがでしょうか。

安国論寺

ここからは少し駅から離れていきます。「安国論寺」は、鎌倉の中心部から南東のエリアに位置しているお寺です。本覚寺や妙本寺に続きこちらも日蓮宗の寺院で、境内の岩屋は日蓮が鎌倉での布教を行っていた際に拠点に利用し、『立正安国論』を書いたのもこの場所とされています。

境内には、鎌倉市の天然記念物に指定されている山桜や樹齢350年の山茶花などに加えて、少し階段を上ったところには「富士見台」もあり、鎌倉駅付近から由比ガ浜海岸を見渡すことができます。また、その名前の通り、晴れた日には富士山が見られることもあるので、ぜひ上ってみてください。

光明寺

次は海側へと向かい、材木座エリアの近くに位置している浄土宗大本山の「光明寺」へ。入り口にそびえる大迫力の山門は光明寺のシンボル的存在で、鎌倉の中でも最大級の大きさを誇っています。

本堂など、他の部分も見逃せません。本堂は鎌倉最大級の木造建築で、国の重要文化財に指定されています。また、本堂北側には二階部分が八角形になっていて屋根に鳳凰が乗せられている特徴的な形の「大聖閣」が建つ記主庭園が、南側には浄土宗の枯山水庭園も見られます。

午後はバスを使って「浄明寺エリア」へ

午後はバスを使って、鎌倉駅から浄明寺エリアへと向かいます。「京浜急行バス鎌倉市内フリーきっぷ」(2024年3月より一般販売開始予定)を活用すれば、効率的に名所をまわることができるので、多くの寺院巡りをする際はぜひ利用してみてください。

▷「京浜急行バス鎌倉市内フリーきっぷ」の詳細はこちら

明王院

浄明寺エリアは、鎌倉の中心部から東側へ2kmほどのところに位置し、鎌倉の山側の自然をより楽しむことができるエリアとして人気です。そんな浄明寺エリアにもさまざまな日本遺産の構成文化財がありますが、まず訪れたのは真言宗の寺院である明王院です。

見事な茅葺き屋根が特徴的な本堂を擁する明王院は、将軍の発願によって建立された鎌倉市内に現存する唯一の寺院。将軍の屋敷の鬼門除けとして作られました。

江戸時代に発生した火災により本堂などは焼失、本尊の不動明王像のみが鎌倉時代からのものとして残り、現在は国の重要文化財に指定されています。(※明王院の境内は撮影禁止ですのでご注意ください。特別に許可をいただいて撮影しています)

報国寺

次は明王院から1kmほどの場所にある「報国寺」へ。臨済宗の寺院で、鎌倉地域に多く存在する横穴式の墳墓である「やぐら」や、創建当初の石庭を再現した枯山水など、境内は見所に溢れています。

午前中に訪れた妙本寺のように、報国寺も自然と寺院の美しい調和が楽しめるスポットです。特に竹林はエリア随一の広さを誇り、「竹庭の寺」と呼ばれることも。竹の数は約2000本と、写真映えを狙って多くの観光客が訪れています。

また、苔むした灯籠や庭園の緑は芸術的で、庭園と一体化しているようなモダンな雰囲気の茶室「休耕庵」では、竹林と一緒にお茶が楽しめます。

浄妙寺

最後に訪れたのが、エリアの名前にもなっている「浄妙寺」。銅葺きの屋根の本堂は見応え抜群です。臨済宗の寺院というだけでなく、禅宗で最高の格づけをされた「鎌倉五山」のひとつでもあります。

境内には築200年の古民家を移築した茶室「喜泉庵」があり、ゆったりとした時間を過ごすには最適なスポット。鎌倉エリアでは唯一、枯山水を見ながらお茶をいただける場所のため、ここで鎌倉時代に思いを馳せながらのティータイムを過ごしてみるのはいかがでしょうか。

テーマを厳選して鎌倉の日本遺産を楽しむ旅を

午前中は徒歩、午後はバスを使って「日本遺産」に関連するスポットを巡りましたが、一日でこれほどの数の構成文化財をまわれる場所は、日本国内を見渡してもなかなか出会えないことでしょう。それほど鎌倉には見所が多いわけですが、同時に行きたい場所を絞り込んでおかないといくらでも時間がかかってしまいます。

今回は、予めテーマを定めて観光ルートを決めたことで、効率的に鎌倉の深い魅力に出会えました。なお、今回ご紹介したスポットはすべて「京浜急行バス鎌倉市内フリーきっぷ」を利用して周遊することができます。

前知識なしで訪れても素敵な場所は多くありますが、日本遺産という楽しみ方の指針をもとに、自分好みのルートを辿る旅を鎌倉でしてみてはいかがでしょうか。

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